小泉今日子さんが札幌で講演、「恩師」の手紙が演技と書評の励み…「うまさの先には広い世界ない」
歌手、俳優、プロデューサーとして活躍する小泉今日子さん(58)の講演会「小泉今日子トークライブ」が26日、札幌市中央区の共済ホールで行われた。読売新聞書評欄で2005年から10年間、読書委員を務めていた小泉さんが、人や本との「出会い」、年を重ねても前向きに生きる考え方について語り、集まったファンら約500人を魅了した。
「トークライブ」は、読売新聞北海道支社が、今年の本紙創刊150周年と北海道発刊65周年を記念して開催した。代表曲「あなたに会えてよかった」をBGMに小泉さんがステージに現れると、会場から大きな拍手が起こった。
第1部は、「私が出会った人~時が過ぎて今~」と題して小泉さんが講演。「恩師と呼べる存在」といい、書評を担当するきっかけも作ってくれたという、演出家の久世光彦さん(2006年死去)とのエピソードを披露した。
ある時、小泉さんが主演を務めた映画を見た久世さんから手紙が届いた。そこには演技と書評を褒めつつも「芝居も文章も、うまさの先にはあまり広い世界はありません。毎日もっとびっくりしたり、ときめいたりしてください」と書かれていて、今も強く心に残っているという。
また、小泉さんは、最近読んでいる本について、「韓国の詩や小説が力強くて好き」と明かした。60歳を過ぎた時の夢については、「(大好きな)本がいっぱい積まれた部屋に3か月間くらい軟禁されたい」と言って会場を笑わせ、小説を書くことにも意欲を見せた。
第2部「KOIZUMI的ア・ラ・モード」は、小泉さんと、書評欄の担当だった村田雅幸・読売新聞編集委員とのフリートーク。現在も舞台や、コンサートなどに前向きに取り組み続けている理由について問われた小泉さんは、「うまくいかない時でも、諦める気が一切ない。挫折も否定的に感じないタイプなんです」と話し、来場者をうならせていた。