【大学野球】一発勝負の早大との優勝決定戦 明大・宗山塁が挙げた勝利への4つのポイント
もう一つのモチベーション
3つ目は先発が予想される早大の右腕エース・伊藤樹(3年・仙台育英高)の攻略である。今秋は1回戦で8回1失点、3回戦で8回無失点に抑え込まれている(いずれも勝利投手)。春も1勝1敗と勝ち点をかけた3回戦で11回完封された。明大にとっては、天敵である。 「どんどんいろいろな球種を使って、ストライクを取ってくるので、自分から仕掛ける準備をしていきたい。とても良いピッチャーであることは間違いないですが、状態が良ければまったく打てない投手は、なかなかいない。打つべきボールを逃さずに打っていき、得点圏の場面では意識を置いていきたいです」 最後に、優勝決定戦に臨む上での姿勢である。 「リーグ戦ですと、成績が出たり、結果が数字に表れたりする。優勝決定戦は自分の結果どうこうよりは、とにかく最後の1点を取っていくという勝負になる。形どうこうではない。気負い過ぎず、自分たちで楽しんでやってきた中で、少しでも相手を上回ることができれば、優勝決定戦にふさわしいゲームができる。これまでやってきたことしか、ゲームには出ない。強い気持ちをゲームで出すことを、監督も期待している。結果が良かろうが、悪かろうが、やり切るだけです」 もう一つ、モチベーションがある。4年間、指導を受けていた明大・田中武宏監督が今秋限りでの退任を表明している。「今の4年生はずいぶん、お世話になっている。良い結果で、監督を送り出したい」。明大の伝統は「人間力野球」である。「もともとなかった試合。もう1試合できるのはうれしく思いますし、勝っても負けても、自分たちの試合で最後、決められるのは幸せです」。8シーズンプレーした神宮球場で、集大成を見せる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール