「辞めたら親が悲しむ」から始めたピアノで動画再生7億回!音大での挫折、IT企業での休職を経てハラミちゃんが辿り着いたストリートピアノの世界
■音大で挫折「ピアノに人生を捧げる覚悟」の差を痛感 ── 6歳からの希望どおり、音楽大学に進学。入学してみていかがでしたか? ハラミちゃん:小さいころから「音大に行けばピアニストになれる」となんとなく考えていたのですが、甘かったです。実際に音大に入ると、プロのピアニストとして食べていける人は本当にひと握りだとわかりました。 しかも、その人たちは本当に人生をピアノにささげていました。授業がないときもとんでもない練習をしていて、練習してはピアノの下で寝る、みたいな生活をしている人ばかり。
そんななかで、自分はこの世界で何十年もやっていけるんだろうか、と自信を失ってしまいました。音楽への愛も冷静に見つめ直し、私の場合、「ピアノは趣味でもいいのかも」と関わり方を考え直したんです。 ── ピアノに賭けてきた人生を考え直してみたのですね。そこでどのような結論が出たのですか? ハラミちゃん:4歳でピアノをはじめて20年間近く、ピアノという武器を片手に持ち、生きてきました。じゃあ20代からはもう片方の手に、もう1個何か違う武器を持ってもいいのかなと、セカンドライフを考えてみることにしました。
その結果、思いきってまったく関係のない業界であるIT企業に入社しました。パソコンにはまったく触ったことがなかったのですが…。 ── まったく違う世界に進むことに対して、ご両親などの反応は?ピアノ以外の道を選ぶのはもったいない、という気持ちはありませんでしたか? ハラミちゃん:いえ、両親は私にピアニストにはなってほしくなかったそうです。それよりも、ちゃんと食べていける安定した職業に就いてほしいという感じでした。だから、会社員になることを応援してくれましたし、ピアノの道に進まないのをもったいないとは誰にも言われませんでした。
── ご両親も応援してくれたのですね。でも、一般企業に就職すると、ピアノを弾く時間はだいぶ減りますよね。 ハラミちゃん:学生のころは1日6~8時間弾いていましたが、就職すると本当に弾くヒマがなくて、ほとんど弾かなくなりました。数年間で2回くらいでしょうか、ピアノは物置みたいになっちゃいました。 ── IT企業への就職は未経験の分野のため、ずいぶん大変だったのでは? ハラミちゃん:パソコンが初めてというのもありましたが、頑張り方の違いにとまどいました。ピアノは全部自分ひとりで頑張るもので、自分が頑張ったぶん結果が出ます。