日焼け止めが低身長の原因に⁉️成長期に気をつけたいUVケアの落とし穴
しかし、紫外線ケアによりお肌の老化につながる日焼けを防げる一方で、紫外線をブロックすることによりビタミンDの生成は阻害されてしまいます。特に、皮膚面積の大きい手足に日焼け止めを使用することが、ビタミンD欠乏に至りやすい有意な要因となることが研究でも明らかになっています(※2)。 日本人の中高生 1,360 人を対象にした調査(※3)によると、ビタミンD欠乏者は男子で 30.1%、 女子で 47.1%、 ビタミンD不足者をあわせると男女ともになんと8割以上を占めていました。 特に女子では中学生から高校生へと成長するにつれ、ビタミン D の栄養状態は著しく低下します。2021年に実施したラブテリの調査では、女子は小学校4年生から、日焼け止めの使用頻度が高くなることが明らかとなりました。ビタミンDの生成を妨げてしまう状態になっているといえますね。
日常生活でできる!ビタミンDを増やすポイント
多くの子どもで必要量で足りていないビタミンD。そこで、日常生活でビタミンD量を増やす方法をいくつかご紹介します。 【1】ビタミンDの生成を阻害しない日焼け止めを使用する 肌ダメージの原因になる紫外線をブロックしながら、ビタミンD生成に関わるU V B波のみを透過させる日焼け止めも販売されています。便利グッズを上手に活用するのもおすすめです! 【2】日焼けしない程度に日光に当たる 体内でビタミンDを生成するには、日焼け止めを使わずに皮膚に日光を浴びることが条件です。お住まいの地域・その日の天候によって、ビタミンD生成のために必要な時間は差があります。国立環境研究所のサイトより、おすすめする日光照射時間をリアルタイムで確認することができるので、参考にしてみてください。 こどもの過剰な日焼けは、皮膚がんや将来の白内障リスクとの関連を示す研究もありますので、ビタミンD生成に必要な時間(目安として1日15分~30分)日光を浴びたら、そのあとは日焼け止めを塗ることやツバが広い帽子を被ることで肌や目を守りましょう。 【3】ビタミンDを含む食材で、食事から摂取する ビタミンDを含む食材には、魚・鶏卵・キノコ類などがあります。特に魚は少なくとも2~3日に1回は食べるように心がけましょう。生のキノコよりも干し椎茸の方が、ビタミンDの含有量はアップします。ただし、ビタミンDの血中濃度は食事以上に日光浴によって左右されるため、食事だけで満足せずに適切な日光浴を心がけましょう。 【4】ビタミンD強化食品やサプリメントを使用する これから梅雨の時期になり日光が当たらないなど、ビタミンDが不足していると感じる場合は、強化食品やサプリメントを上手に使用しましょう。赤ちゃんから使用できるビタミンDオイルなどが販売されています。 ビタミンDの合言葉は「日光浴+食事」。子どもだけでなく大人も一緒に親子で対策し、ビタミンDを補給していきましょう! 参考文献: ※1 2022実施 子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)より ※2 化学研究費助成事業 研究成果報告書より ※3 Tsugawa N, et al. J Bone Miner Metab. 2016;34(4):464-474.