パレスチナ自治政府、アルジャジーラの放送一時停止 批判的報道で
パレスチナ通信は1日、パレスチナ自治政府が、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」のヨルダン川西岸地区での放送を一時停止することを決めたと報じた。自治政府は一時停止の理由について、アルジャジーラが「扇動的な内容」などを報じたためとしている。 【写真・地図まとめ】中東情勢、どう変化? ヨルダン川西岸では、アルジャジーラの記者らの活動も停止する。一方、イスラム組織ハマスが拠点とするガザ地区には、適用されない見込みだという。 自治政府の治安当局は2024年12月から、ヨルダン川西岸北部のジェニン難民キャンプで、パレスチナ人武装組織に対する取り締まりを強化している。ただ、28日には地元の女性記者が治安当局の銃撃で亡くなるなどし、アルジャジーラは自治政府の軍事作戦を批判的に報じていた。 これに対して、自治政府の主流派のファタハは、アルジャジーラが「パレスチナの分裂の種をまいている」と批判。アルジャジーラを巡っては、イスラエルも24年5月「ハマスの代弁者になっている」として、イスラエル国内の放送や活動を停止した。 ファタハは、イスラエルとの和平を進める穏健派とされているのに対して、ハマスはイスラエルへの武装闘争を掲げている。07年にハマスがガザの実効支配を始め、ファタハが統治する西岸との間で分裂状態が続いている。【エルサレム松岡大地】