旅行好きYouTuberが解説!「日本の航空会社」と「米国の航空会社」のファーストクラスの違い
「ファーストクラス」の知られざるサービス内容に衝撃!
生きているうちに一度は乗ってみたい。誰しも夢見る「贅沢」の1つが、飛行機の国際線ファーストクラスだろう。我々庶民にはよく分からないファーストクラスの実態。どんなサービスがあるのか? そもそも料金的に、一般の人にも乗れるレベルなのか? 「KK―旅行好き飛行機好き」で旅行関連の動画をあげているYouTuberのKKさん(33)に、ファーストクラス事情を聞いた。 【マンガ】女性どうしで…セクシー女優が女子刑務所で経験した衝撃の恋愛事情がマンガに! KKさんは、都内の外資系IT企業に勤務。豪州・シドニーに勤務していた5年前から飛行機と旅行に関する動画をアップし始めた。現在は日本在住。これまで数え切れないほどのエコノミークラス搭乗経験をもつほか20~30回のビジネスクラス搭乗を経験している。今回は今年6月に新婚旅行で乗った、JALの東京-パリ間のファーストクラスの経験談を話してくれた。 「あの時は全行程で14時間かかりました。離着陸を除くと正味12時間ぐらいでしょうか。私の場合、まず離陸して1時間ほどして機内食が出てきました」 機内食は和食やフレンチなどから選べるシステムになっており、KKさんは和食を選択。ボトルで20万円ほどのシャンパンは飲み放題で、ワイングラスの老舗・リーデルのグラスに注がれて出てきた。 「味は、日本の和食の名店と同レベルだと思いますよ。料理を出す直前に温めているんでしょうけど、それでもかなりおいしい。肉と別の食材をきちんと別々に加熱して、味にかなり気を使っている印象を持ちました。盛り付けも、肉とかの上に生の野菜をきれいに美しく配置。他社のファーストクラスはちょっと雑な感じの印象だったので、ここはJALさんのこだわりが見えたところですね」 食事後は、お茶やお菓子を食べながらのまったり時間。新婚の妻とおしゃべりを楽しんだ。 「席は机がスライドして2人が向き合って座れるような作りなので、妻と2人で座って過ごしました。2人で旅行してもバラバラにならず、対面で話ができるのは素晴らしい。気の使い方がうれしいですよね。紅茶も高級ブレンドのものが飲めて、リラックスできました」 席自体も贅沢。何時間座っても快適に過ごせる設計になっている。 「当然なのですが、座席が広い。ビジネスと比べると段違いです。ビジネスは『人が寝られるサイズギリギリをいかに効率よく詰め込むか』って考え方で、横幅も50センチくらい、前の人の足の上のスペースと重なるような配置になっています。でも、ファーストはある意味無駄な感じになって、重なりがない。肘掛けの下とかに後ろの人の足が入ることはありません。仕切り壁もあって、よっぽど覗こうとしないかぎりプライベートは守られています」 離陸から5時間ほどたった時点で、KKさんは仮眠を取った。東京とパリの時差は7時間ある。計14時間のフライトだとぐっすり寝たくなるところだが、時差調整のために我慢。代わりに1時間ほど寝ることにした。 ◆パジャマにベッドメイキングまで 「実はベッドメイクもCAさんがしてくれます。そろそろ寝たいって言うと、ちょっとこのパジャマに着替えてきてくださいって言われて、他の更衣室で着替えて帰ってきたら座席がフルフラットのベッドになっていました。広さはシングルベッドより少し狭いくらい。シーツも完璧にしつらえていただいていました」 仮眠後、起きると、飛行機は北極海上を通っていた。夏至の時期だったので、北極周辺はずっと昼。 「外を見たら、いかにも北極っていう感じの氷山が連なる光景。ずっと見ていられましたね。エコノミーとかビジネスとかだと、みんな基本的に寝る人に合わせるので消灯されてしまいます。窓とか開けて明るくすることは気が引けてできません。でも、ファーストは隣り合う人がいない。自由なんですよ」 6時間ほどたって、KKさんは2回目の食事を取った。ファーストクラスでは、軽食ならいつでも自由に頼むことができる。 「メニューを見て考えていると、CAさんが自然に何にしましょうかと話しかけてくれました。ラーメンなどを頼むと10分ぐらいで来ました」 自ら呼ぶことすらさせない、CAのきめ細やかさ。しかし、このシステムだと常に見られている気になって嫌がる人もいると思うが……。 「それが、すごくうまくやっていて。ファーストクラスのCAさんは常に3人ぐらいで結構こまめに行き来しています。自然なしぐさで様子をうかがってくれていて、気になることは全くありません。また、トイレもいつ行ってもどこにも水滴が付いていない。使用後に毎回こまめに掃除してくれているのだと思います」 離陸後8~9時間で、KKさんは自分の座席で映画を鑑賞した。当然、24時間見ることができる。 「見終わった時点でまだ到着まで4~5時間あるのですが、全然飽きが来ない。ビジネスだったら座席に座っていることが嫌になってくる時間ですが……。もう地上にいるのと同じような感覚でしたね」 残り2時間ほどのタイミングで、食事のラストオーダー。スープを頼むと、KKさんも予想していなかったサプライズがあった。さりげない会話でハネムーン旅行であることを知ったCAが、フルーツ盛りのお皿に「Happy Wedding」の文字を書いてくれていたのだ。乗務員からのメッセージカードまで渡してくれる念の入りよう。 「前もって頼んだわけじゃないです。普通に食事を頼んだらハネムーンプレートが来るなんて、もう驚きましたね。お客さん1人1人のことをちゃんと把握してくれている、お客さんをなんとか喜ばせようとしてくれるってことに、ものすごく感心しました」 きめ細やかさは、日本の航空会社ならでは。KKさんが直後にパリからニューヨークへ移動した時に使ったアメリカン航空のファーストクラスは、雰囲気が少し違った。 ◆日本の会社のファーストクラスのほうが快適な理由 「アメリカン航空は正直、ビジネスクラスの延長という感じでした。超エリートビジネスマンが使うので、きめ細やかというより最小限の快適さを詰め込むイメージです。頼んでないのにハネムーンプレートなんて絶対にやってくれません。きめ細やかさはおそらく日本特有。日本人が求める特別感が反映されているのだと思います」 以上が大まかなファーストクラスのスケジュール。ここまで快適に過ごせるフライト、気になるお値段はいかほどなのだろうか。 「私はJALが加盟している航空連合のワンワールドでチケットを取りましたが、3大陸周遊の世界一周で約120万でした。東京からパリまでのファーストって片道200万ほどなので、かなり格安だと思いますよ」 ファーストクラスの世界一周で120万円。平均的なサラリーマンが、意を決した贅沢旅を志すのなら、手が出ないほどではない。 「ファーストクラスで旅行すると、移動じゃなく『旅行のイベントの1つ』という利得感が味わえます。少し値段が高いかもしれませんが、コスパ自体は決して悪くないはずです」 KKさんは、今後もファーストクラス搭乗動画の投稿を考えている。直近の目標はエミレーツ航空のファーストクラス。ファーストクラスの乗客だけが利用できる機内のシャワールームで、高度1万メートルで浴びるシャワーを体験してみたいのだという。 移動の時間が旅行のなかのひとつのイベントに変わるというファーストクラス。決して安くはないが、お得なプランを利用して乗ってみるのもいい経験になるかもしれない。
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