【高校サッカー選手権】強風大雨を愉しんだ高知高知国際から7得点で、2年ぶり選手権へ王手!
10月12日に3校合同チーム2チームを含む26校22チームが集い開幕を迎えた第103回全国高校サッカー選手権高知予選。11月2日に、高知県高知市の高知県立春野総合運動公園球技場で2試合が開催された準決勝の第1試合では、初戦の2回戦では高知丸の内に6-0で快勝。続く準々決勝では今年インターハイ出場を果たした高知小津を延長戦0-0からのPK戦で破った高知国際と、2年ぶり19度目の選手権出場へ向け、初戦の2回戦では須崎総合に12-0。準々決勝でも高知中央に3-0と安定した力を発揮している高知とが対戦した。 【フォトギャラリー】 高知国際vs 高知 台風21号から変わった温帯低気圧の影響により、激しい雨と強い風が吹き付ける最悪のコンディション下、高知は4-4-2、高知国際は4-1-4-1システムで対峙。スターティングイレブンは高知のGKは1山下晃門(3年)。4バックは右から4小野響輝(3年)、2竹﨑碧(3年)、12横田陽向(2年)、3中城夢向(3年)。中盤はダブルボランチに6西森吏玖(3年)とキャプテンの7市原大羅(3年)が入り、右サイドに9足達柊侍郎(3年)、左サイドに8山城亜蓮(3年)、2トップは10門田翔平(3年)と14松田翔空(2年)が組んだ。 対してベンチ入りメンバー含め全員が1・2年生の高知国際はGKが1川村洸太朗(2年)、4バックは右からキャプテンの2大﨑佳市(2年)、4田中瑛太(2年)、5田中遥音(2年)、3中井健介(2年)。中盤はアンカー役に13福井咲人(2年)が構え、その前に右から7藤波心呂(2年)、14川上倖志郎(2年)、9細川凌(2年)、10窪内月哉(2年)。ワントップには11森田陵斗(2年)となった。 ビルドアップしようとすると水しぶきを上げながらボールが止まり、上空に蹴ってもボールの落下位置が不規則に変わる中、試合は前半風上に立った高知が「早く風と雨に対応できたし、選手個々もそんなに天候を気にしていない」(大坪裕典監督)技術力の高さに立脚したサッカーを愉しむプレーを随所に発揮した。 まず8分、左CKを獲得するとMF7市原は「追い風と相手のポジショニングを見て」ファーサイドへの高いキックを選択。これが相手DFのクリアミスを誘いオウンゴールで先制すると、18分には左からのクロスこぼれ球にFW10門田が放ったミドルシュートのこぼれ球をFW14松田、23分には10門田がペナルティーエリア左角から意表を突いたループシュートを決め3点目。さらに30分には右CKのこぼれ球をDF4小野が抜け目なく押し込み、前半だけで4-0。 対する高知国際もFW11森田へ納めてからのサイド攻撃に活路を見出そうとするものの、右の4小野、左の3中城といったサイドバックの推進力にも優れる高知は中盤の位置でことごとくボールを回収。40分間を通じて高知は1本のシュートも相手に許さなかった。 やや雨風が収まり、ピッチ状況も改善が見られた後半も高知優位の構図は変わらず。54分に2竹﨑のスーパー30メートルミドルでの5点目を皮切りに後半も3点を追加した彼らは、交代選手を次々と投入し1点を奪いに行く高知国際を全く寄せ付けず被シュート0で7-0と快勝。まさに盤石の試合運びで11月9日12時5分より高知県立春野総合運動公園陸上競技場で行われる決勝戦へ2年ぶりに駒を進めた。 試合後「ウチのチームは後半勝負を掲げる中、守りながらも追加点を取れたのはよかった」と内容に一定の満足感をにじませながらも「昨年、準々決勝で敗れた悔しさは忘れていない。決勝では攻守の切り替えと冷静さ、球際の強さを出して全員で笑って終わりたい」と高知キャプテンの7市原は強い決意を示した。 すでに高知県U-18リーグでは独走でプリンス四国参入戦進出も決めているものの、そこに奢ることなく晴れの決勝戦では「チャレンジャーとして丁寧に闘っていきたい」指揮官をはじめとする謙虚かつアグレッシブさをキーワードとする高知。加えて彼らは「今日はなかなか表現できなかったが、決勝戦では来てくれる方に愉しんでもらえるサッカーをお見せしたい」(市原)質の追及も求めつつ、どの県内チームより渇望している全国舞台をつかみ取る覚悟だ。 (文・写真=編集部)