ローソンの「韓国コスメ」福袋が好調、発売の狙いは? 男性の購入も増えているワケ
“売れ筋以外”を訴求のチャンス?
ラッキーバッグの中身として、「すでに人気の商品」と「認知度を高めたい商品」の両方を取りそろえた。ロムアンドの人気商品は発色の良いカラーメーク用のアイテムで、アンド バイ ロムアンドの売れ筋もリップだ。このため、ラッキーバッグにもリップを入れた。 「認知度を高めたい商品」としては、化粧下地とアイシャドーを入れた。加藤氏は、「福袋を機に『リップ以外もある』ということを知ってもらいたい。化粧下地(スキンケアの後、化粧の準備として肌に塗る基本のアイテム)とアイシャドー(まぶたに陰影を付けるために使うアイテムで、これも購入層が広い)であれば、普段最低限のメークしかしない人でも邪魔にならずに使って頂けるのではないかと考えました」(加藤氏)。 中でも発売からまだ1年未満の化粧下地については「これを機に認知度を上げたい」という狙いがあった。このためラッキーバッグの価格は「下地ほぼ1個分をプレゼントするような設定」にしたといい、商品3点の合計価格(3160円)から、下地(990円)ほぼ1個分を差し引いた価格に相当する、2200円とした。 カラー展開は、イエベ(黄み寄りの肌)向けの「WARM」と、ブルベ(青み寄りの肌)向けの「COOL」の2パターンを用意。パーソナルカラー診断(肌・目・髪などの色をもとに、その人に似合う色を導き出す診断)が若い世代に普及し、「自分の肌に似合う」化粧品を選ぶ人が増えているトレンドを踏まえた。
「プレゼント需要」もつかむ
ラッキーバッグは、2種類合わせて5万5000個を用意。従来のアンド バイ ロムアンドのターゲット層である10~20代(Z世代)に向けて訴求する。また、かわいらしいパッケージにすることで、クリスマスシーズンや年末年始の帰省を想定し、恋人や家族への“プレゼント需要”も狙った。 狙いは成功しているようだ。購入者における男性の割合は、通常のティントでは約1割。一方、福袋の購入者では約2割に上っている。「販売自体もクリスマスやその直前の土日で伸長しているので、いつもコンビニにいらっしゃる方が、帰宅前のプレゼントに買ってくださったのかなと思います」と加藤氏は話す。“特別感”のあるパッケージとコンビニ自体の利便性も相まって、身近な店で気軽に買えるプレゼントとしての需要をしっかりと獲得しているようだ。 購買層のボリュームになっているのはターゲット層の10~20代だが、ローソン広報部の持丸憲氏は「それ以外の層にも刺さっているという実感があります」と話す。 「コンビニは幅広い年代のお客さまがいらっしゃるので、10~20代以外の世代にも届けたいと考えています。『創業祭福袋』の好調をきっかけに、幅広い年代のお客さまにリーチする上で、福袋は1つの手段なんだなと気付いた形ですね」(持丸氏)