縄文土器の内部に巻き貝の破片の痕跡、熊本大学教授「どういう意図で混ぜたか研究進めたい」…解析で判明
熊本大の小畑弘己教授(考古学)は17日、熊本市の同大で記者会見し、国内最古級となる、貝殻片を混ぜて製作した痕跡のある縄文土器(約9000~1万年前)の破片約370点を確認したと発表した。 【写真】「福井洞窟」9000年の人類の営み伝える遺跡、国の特別史跡に
小畑教授は土器から生物の痕跡を検出する研究を手がけており、福岡市西区の元岡・桑原遺跡群で見つかった縄文土器(福岡市埋蔵文化財センター蔵)をX線CTスキャナーで解析。土器の内部に、肉眼では見えなかった、巻き貝の破片の痕跡を示す空洞を見つけた。貝殻自体はなくなっていた。
小畑教授は、縄文人が何らかの意図を持って混ぜた可能性を指摘。「貝殻を混ぜると熱変化に強く壊れにくくなるなどの利点があるが、作るのが技術的に困難になる。どういう意図で混ぜたか研究を進めたい」としている。このほか、土器片の一部から、九州最古級となる豆類の種子の圧痕も見つかったという。