KADOKAWA漏えい影響拡大 書籍出荷が滞り、株価2割下落
出版大手KADOKAWAは3日、「角川ドワンゴ学園」の在校生らの個人情報がサイバー攻撃により「漏えいした可能性が高い」と発表した。システム障害で一部の書籍の出荷が滞り、1カ月弱で株価が約2割下落するなど影響が広がった。攻撃を仕掛けたと主張しているロシア系ハッカー犯罪集団は3日午後、匿名性の高いダークウェブの闇サイトに掲載していた犯行声明を削除した。 ITジャーナリストの三上洋氏は「ハッカー集団がKADOKAWAに対し、交渉は続いていると揺さぶりをかけた可能性がある」と指摘。KADOKAWAは取材に「当社からコメントすることはない」と回答した。 KADOKAWAは当初、6月末までに基幹システムの復旧を目指すとしたが、遅れが生じている。出版事業では既刊の本の出荷部数が平常時の3分の1程度に減少していると27日に発表。客からの注文に応じられなかったり、棚の補充ができなかったりと街の書店への影響も出ている。
この間、KADOKAWAの株価は急落。7月3日までに、下落率は20%を超えた。