「死刑がふさわしい」ルフィ広域強盗事件で闇バイトに手を染め実行役リーダーになった男が裁判で語る…裁判では強盗に殴られ要介護5になった息子の両親が語る凄惨な現場の供述調書も読み上げ
初公判で明らかに…指示役“KIM”とのやりとり
東京地裁立川支部で開かれた初公判。起訴内容について間違いはないか問われた永田被告。はっきりとした声で答えた。 永田被告: ありません 検察側の冒頭陳述で明らかになったのは、永田被告がどのように闇の世界に足を踏み入れたのか。 2022年11月上旬。SNS上で闇バイトを探し始め”KIM”と名乗る男と知り合った永田被告。このKIMが後に強盗事件の指示役となる男である。 テレグラム上でやり取りを続け闇バイトを引き受けるようになった。 そして2022年11月14日の秦野事件を皮切りに6つの事件の実行役となる。 狛江事件では、仲間にバールで殴るよう暴行を指示し、「家燃やすぞ」などと言って女性の腹部などを殴り女性を死亡させた。 一方の弁護側が強調したのは、永田被告の組織内での立ち位置。永田被告は実行役でリーダーではあったものの、指示役の駒であり、犯行を自ら計画したのではない。また、逮捕後は留置場で反省と自責の念を深め被害者や遺族に謝罪の意思を持っていると主張した。 続く被告人質問。弁護人が「秦野事件に関わることになったきっかけは?」と訪ねられると永田被告は「その頃は競艇にのめり込んでいてお金がなかった。闇金からも借金をしていて、資金集めに闇バイトを探した。ツイッターで”シラトリ”という人に接触し、テレグラムでシラトリとの会話を続けていた。そのシラトリからKIMを紹介された」と述べた。その際、KIMからは「叩き、空き巣、運びなどの案件を紹介された」と言う。 指示役から案件の概要が送られてくるのは、決行日の約1週間前。 第1の事件、「秦野事件」では1週間前に「神奈川に空き巣入ります。現金は1000万あります。また連絡します」と連絡が入っている。 決行日の前日、11月13日には被害者宅の外観写真や侵入方法、留守となる時間や共犯者の数、ドライバーの有無などが送られてきたという。 永田被告: 報酬は50万円と聞いていた。KIMからの指示で自由が丘駅へ行くと『この車に乗ってください』と車のナンバープレートが送られてきた。ホームセンターで手袋、土のう袋、ガスバーナー、冷却スプレー、ハンマーを兼ねるシートベルトカッター、バールの6つを買った。窓ガラスを割るときに瞬時に冷やすと強度が落ちる、ハンマーで簡単に割れるので侵入してくださいと言われた。 弁護人: やり方は分かった? 永田被告: 分からなかったので聞いたらユーチューブで見てくださいと言われた 秦野事件では共犯の男ともに1階の勝手口から侵入し、腕時計など64点、時価合計約878万円相当を盗み出した永田被告。そのうち時計2本は自らの懐に入れていた。 「秦野事件は1回目の強盗で、指示役の人間がどんな人間が分かっておらず、本当に報酬をもらえるのかと疑っていた部分もあった。盗んだ時計の中から私が2本、共犯者が1本くすねた。共犯者の中に告げ口をする人はいないと思った」と永田被告は証言している。 永田被告はくすねた時計を当時住んでいた石川県内で売却。80万と90万、合わせて170万になったそうだ。
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