67歳ランガーの優勝にみる、シニアのためのスイング安定のコツとは
来季のフルシードをつかんだ藤田
日本のファンにとってうれしかったのは藤田寛之の活躍だろう。 藤田は6月の全米シニアオープンで単独2位に入ったこともあり、プレーオフシリーズ初戦のドミニオンエナジーチャリティクラシックに出場できる72位以内のポイントランキング45位でプレーオフに進出。 初戦は43位タイの成績で、ポイントランキングは51位と後退したものの、プレーオフ2戦目に出場できる54位までに残った。 第2戦のシモンズバンク選手権では、パターが面白いように入って3位タイの好成績をおさめ、ポイントランキングは51位から32位にジャンプアップし、最終戦のチャールズ・シュワブ・カップ選手権に出場できる36枠に滑り込んだ。 36位以内の選手は最終戦に出場できるだけではなく、来季のフルシード権が与えられる。 最終戦は26位と残念ながら優勝争いには絡めなかったが、シード権獲得は快挙と言っていい。 全米シニアオープンの2位とシモンズバンク選手権の3位タイという2回のトップ3フィニッシュにより、わずか5試合の出場でポイントランキング32位となり、効率よく翌シーズンのフルシード権を獲得したのは称賛に値する。 2025年は米シニアツアーを主戦場にすると明言しているので大いに期待したい。藤田のゴルフに真摯に向き合う姿勢があれば、アメリカの地でも日本のファンを喜ばせるような活躍を見せてくれることだろう。
アルカーのように左腕を意識すれば再現性が高まる
年間王者のアルカーのストロングポイントは正確なショットだ。 アルカーはショットを打つ前に、左手でクラブを持ってアドレスに入るルーティンを行う。アルカーのように左サイドを意識してスイングをすることで、スイング軌道が安定しやすくなるので参考にしてほしい。 今回はアルカーのように左サイドを適切に使うためのドリルを紹介しよう。 左手や左腕の使い方を身につけるには、左手一本のスイングが最適だ。だが、むやみに左手でクラブを振るのではなく、左腕を固定した状態で体の動きに合わせてスイングをする感覚を身につけよう。 練習ドリルでは、アドレスで左手でクラブを持ち、左わきを締めながら左上腕部を右手で押さえ、左腕を自由に動かせない状態で構える。 少し窮屈に感じる状態で、腕を振らないように意識しながら体の回転に合わせてクラブを振ってみよう。最初は小さな振り幅から始め、少しずつ振り幅を大きくしていく。足踏みをするように下半身を連動させることで、体が動かしやすくなる。 バックスイングで左腕が地面と平行のポジションまでクラブを上げる振り幅になったら、手首を親指側に折り曲げてクラブを立てるコッキングの動きを入れるようにしてスイングをしてほしい。 左手を意識するために、日常生活のなかで左手でカバンを持ったり、物をつかんだりするのもいい。左の手や腕を意識して使えるようになれば、スイングの再現性も高まり、方向性も安定してくるはずだ。
TEXT=吉田洋一郎