新しい浪人「おしゃ浪」海外で難関大目指す新勢力 「おしゃれ浪人」という浪人の新たな選択肢
24歳になった精悍な顔つきの彼は、自身の大学受験を振り返り、「浪人したという意識はなかった」と語ってくれました。 「浪人は勉強をめちゃくちゃ頑張って、挑戦する人が多いと思います。ですが、私自身は受験に固執をした選択をしてきたわけでありません。今までの選択が、将来の自分の人生につながると思いました。葛藤はありましたが、腹をくくっていたから絶対に失敗できないという気持ちを持って2年を過ごせたと思います」
この2年の生活は彼にとって誇れるもので、「『おしゃ浪』をしてよかった」とも自信を持って答えてくれました。 「英語もフランス語も絶対に話せるようになろうとか、帰ったら絶対こういう大学に入るといった、ずっとポジティブな気持ちでいられた2年間でした。この選択をしていなかったら今の自分はないので、とてもいい期間だったと思います。 ただ、自分の知人を見ていても、留学したからといって、必ずしもいい大学に行けているわけではありません。高校2年生までの留学は親が行かせることもあるので、子どもが受け身の場合もあります。
1年間受動的に留学をしているだけでは英検1級は取れません。高校を卒業するタイミングで留学した私は、自立した人間として覚悟を決めて海外に行ったので、帰ってきてからも自分で勉強を継続できたのがよかったのだと思います。留学をしたうえでその経験をどう調理して使うかが大事だと思います」 リザプロの孫さんも、自身の知人の事例を見てきたうえで、「『おしゃれ浪人』とはいうものの、実際には楽な道ではなく、みな正当な努力をして大学に入っている」と語ります。
■生まれた場所や金銭的ハンデを縮める 筆者はこの話を聞く前まで、海外留学を経て大学に入るという表面的な部分だけを聞いて、おしゃ浪は、お金持ちが楽に学歴を手にいれるための手段だと思っていました。しかし、実際はむしろ生まれた場所や金銭的なハンデを縮める役割を果たしていると知り、目から鱗が落ちました。 もし、地方から都心部の有名大学に行きたい方がいれば、「おしゃ浪」を選択肢の1つとして考えてみてもよいかもしれません。
濱井 正吾 :教育系ライター