トミー・ジョン手術乗り越え…ソフトバンク3年目の育成大竹風雅が公式戦初登板初勝利
◆ウエスタン・リーグ 広島2―5ソフトバンク(27日、由宇) ソフトバンクの育成3年目、大竹風雅投手(25)が公式戦初登板し、初勝利を挙げた。先発で6回86球を投じ、6安打5奪三振、1失点の力投。「自信になったし(捕手の)嶺井さんがいい配球をしてくれた」とうなずいた。 ■まるで映画のワンシーン、球場入りする柳田悠岐【復帰戦写真多数】 優勝へのマジックナンバー「1」で迎えた大一番に、チャンスが巡ってきた。「(優勝は)ちょっと意識したくらい。緊張はそんなにしなかった」。この日の最速は149キロ。真っすぐと変化球をうまく織り交ぜた。初回は安打を許すも無失点。2回は三者凡退。3回に長短打で1点を失った後も焦らず、2死一、三塁で広島の佐藤啓介を二ゴロ併殺打に打ち取って追加点を与えなかった。 4、6回も走者を出しながら、後続を併殺打で打ち取り、ピンチを脱出。「野手の皆さんのおかげ」と感謝する。松山秀明2軍監督は「ダブルプレーを結構粘り強く取って、チームの流れを作ってくれた。そういう意味では先発の十分な働きをしてくれた」とたたえた。 東北福祉大から2022年にドラフト5位で入団。同年4月に右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。同年のオフに戦力外となり、育成選手として再契約。リハビリを経て、23年夏に実戦復帰した。今季は3月に右の肩甲下筋の肉離れでリハビリ調整となり、7月にようやく復帰。3軍で先発としてマウンドに立ち、ようやく公式戦の舞台に登ってきた。 松山2軍監督は「急にここにはめたわけではない。そういうタイミングで先発が回ってきたということは、彼も運があるのかなと思う」と語った。 堂々たる力投に大竹は「希望はゼロが良かったけど、1点。自分の投げミスでああなった。次はもっときわどいところを狙いたい」と反省も口にした。その上で「一番はけがなく、そして求める物を求めていきたい」と強調。ウイニングボールを手にすがすがしい表情を見せた。(浜口妙華) 【#OTTOホークスファーム情報】
西日本新聞社