先発ローテ再編に次ぐ「岡田の大ばくち」第2弾は和田豊2軍監督の1軍打撃コーチ配転か 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
そんな状況下、名将・岡田監督率いる阪神は68試合消化時点で33勝31敗4分けの貯金2で、首位・広島に2ゲーム差の2位につけています。もちろん、球団初のリーグ連覇への可能性は十分にある位置です。そして、「連覇しかない!」と意気込む指揮官はやはり策を打ってきました。先発ローテーションの再編です。
23日のDeNA戦(甲子園)が雨天中止となるや、先発予定だった才木を25日の中日戦(倉敷)にスライド。今後は週の頭の火曜日に先発させ、〝火曜日の男〟だった村上を木曜日(カードの第3戦)の先発に変更したのです。
「とにかく、ええピッチャーからいく、ということやろうな」と話す指揮官。才木は開幕からすべて日曜日に先発し、12試合登板で8勝1敗、防御率1・20です。逆に昨季は最優秀選手(MVP)と最優秀新人(新人王)をダブル獲得した村上は、ここまで4連敗中の2勝5敗。週の頭に勝てない→流れが悪く連勝できない→貯金が増えない-パターンが続いていて、岡田監督としても先発ローテ再編の構想は常に頭の中にあったでしょう。それを〝恵みの雨〟と見て、一気に断行したわけですね。
■野村阪神1年目の悪夢
18日のコラムで、今季3勝6敗2分けの〝魔の火曜日〟を脱出するためには先発ローテ再編も有り得る…と書きました。しかし、「それは大ばくちやぞ」という阪神OBの言葉も添えたはずです。才木が投げていた日曜日は10勝2敗。そこから才木を動かした結果、才木も日曜日も勝率が落ちる危険性があります。今季の阪神は日曜日以外は23勝28敗4分け。改善策が絵にかいた餅…のパターンも過去に何度か見てきました。
例えば野村克也監督を迎えた初年度の1999年です。首位戦線を走っていた知将はちょうどこの時期、藪恵壹と川尻哲郎の先発ローテーションを変更して優勝を目指しました。しかし、チームはそこからガタガタと崩れて、終わってみれば55勝80敗の最下位。野村フィーバーも〝鎮火〟しました。シーズン中のローテ再編はかなり勇気の必要なことですね。