すごかったマリンの風【平野謙の人生山あり谷あり、感謝あり】
逆風なのに追い風にも?
フライに興味がなかった? 初芝清
ロッテ時代の思い出の1つに千葉マリン(ZOZOマリン)の風があります。ほんと、すごい。甲子園の浜風とか、どの球場も多少の風のクセはあるけど、あそこはレベルが違う。海からの強い風が外野から吹き込み、バックネット側のスタンドに当たって返ってくるんですよね。いつも同じじゃないけど、上空はバッターからしたら逆風なのに、下は追い風。左右からも影響を受け、巻いてるときもあります。ひどいときは投手が投げた球まで風で動く。 風が強いときの外野手の感覚としては、ある程度の角度がついた打球は押し戻され、高く上がったフライだと時々、真下に落ちることもあった(苦笑)。ただ、ハーフライナーだと逆に風に乗って落ちてこず、そのまま伸びていくこともありました。 投球に影響を与えた例で言えば、僕の2年目(95年4月21日)、オリックスの野田(野田浩司)が日本新記録の19奪三振をした試合でしょうね。ネット裏に当たった風が、グラウンドレベルでもはっきり体感できる強風になって打者から投手に向かって吹いていた。野田のフォークは“お化けフォーク”と言われて、それじゃなくてもすごい落差はあったけど、それこそ止まって真下に落ちたり、逆にどういう具合かは知らないけど、浮かび上がるような球になったりしました。フォークは回転数の少ない球なので、まともに風の影響を受けるんでしょうね。 それまでは確か17奪三振が日本記録だったはずですが・・・
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週刊ベースボール