厳戒態勢で発表された新型フェラーリ「12チリンドリ」の車名が「12気筒」を意味する
しかし、12気筒は12気筒。上記のような事実もあり、フェラーリにとっては特別なエンジンであり続けている。 「市場からの『12気筒モデルをなくさないでほしい』という声も大きく、私たちはむしろ今、12気筒の可能性をさらに追求しています。12チリンドリという車名は、私たちの12気筒への愛を再確認するためのものなのです」 CO2 規制をはじめ、パワートレインにまつわる規制がどんどん厳しくなる中でも、「12気筒エンジンでサーキットも速く走れるクルマ」というフェラーリの伝統は守っていくのだ。
技術者やデザイナーが、その仕事を楽しんでいるのか、それともたいへんな困難を乗り越えながらやっているのか、そこは私にはわからないけれど、市場が歓迎していることは間違いない。 12チリンドリのクーペ39万5000ユーロ(VAT税込み・1ユーロ=約168円で約6600万円)、スパイダー43万5000ユーロ(同約7325万円)という価格だって、市場に歓迎されていなければ、実現できなかっただろう。 【写真】クーペとスパイダー「12チリンドリ」の内外装(80枚以上)
小川 フミオ :モータージャーナリスト