【大学野球】東大の4番が打率3割3分3厘でリーグ戦終了「こんなに打てるとは」…53季連続最下位、10戦全敗のチームに光
◆東京六大学春季リーグ戦第7週第2日▽立大5―0東大(26日・神宮) 東大は立大に2戦連続の完封負け。2019年秋以来となる「10戦全敗」の勝ち点なしで今春のリーグ戦を終え、53季連続の最下位となった。「4番・左翼」でスタメン出場した大原海輝(3年=浦和)は3打数2安打で、打率を3割3分3厘に上昇させた。 敗戦の中、光が射した。4番の大原が2回に中前安打、4回に右前安打を放ち、今春のラストゲームを3打数2安打のマルチで締めた。これで33打数11安打8打点。プロ注目の剛腕や甲子園経験のある好投手が並ぶ5大学を相手に、名門県立進学校出身のバットマンが好成績を残した。 「正直なところ、リーグ戦開幕前、こんなに打てるとは思わなかった。自分の中では2割5分を目標にしていた。いい結果が出せたかなと思っています」 昨秋まではリーグ戦通算10打数無安打。今春の開幕カードとなった4月13日の慶大戦も打撃不振からスタメンにその名はなく、ベンチスタート。代打で凡退だった。 「開幕前に調子を落としてしまって…。スタメンで出られず、すごく悔しくて。そこで『引きずっていちゃダメだ』と気持ちを入れ替えて、『チームに貢献できるように打っていこう』という気持ちで、臨めたのが良かった」 4月20日の明大1回戦、代打でリーグ戦初安打を放つと、スタメン出場した翌21日の同2回戦では5打数4安打5打点の大当たり。5月5日の早大2回戦でも4打数3安打と暴れた。赤門を代表する打者として、その名をとどろかせた。 だが、満足とは程遠い。チームの10戦全敗という現実を受け止め、秋に向けてこう意気込んだ。 「やっぱり勝ちたいんで。1勝でも多く勝てるように、個人として、チームとして、レベルアップをしていきたい」 昨秋に打率3割1分6厘で外野手のベストナインを初受賞しながらも、右膝痛で今春リーグ戦に出場できなかった酒井捷(3年=仙台二)も秋には復帰する見通し。秋こそは98年春から続く最下位脱出を現実にする。(加藤 弘士)
報知新聞社