前例ない広域避難 専門家「転居増えると関連死増の傾向」30人認定の災害関連死めぐる今 能登半島地震
■「申請」と「対策」2つの柱 防災の専門家・木村拓郎さんによりますと、能登半島地震での災害関連死について、いま「申請」と「対策」この2つの柱が重要だということです。「申請」というのは自治体への災害関連死に伴う弔慰金の申請のことで、想定されるケースとしては、被災した高齢の親を息子や娘が自分の住む場所に避難させ、能登と離れた場所で数か月後に亡くなった場合。 ▼地震から日が経ったことや、▼被災地と離れていること、▼避難を勧めた立場から申請しない遺族がいるのではという懸念です。 しかし、木村さんは申請に期限は設けられておらず、被災地との距離が足かせになることはないとし、「関連死の人数を正しく把握することが将来の地震対策に直結するとし、少しでも疑わしい場合はぜひ申請してほしい」と呼びかけています。 災害関連死の申請は自治体によって窓口が違うので県のホームページで確認をお願いします。 木村さんによると、東日本大震災の福島県の事例では災害関連死で亡くなった人のうち発生から半年以内が5割、それ以降が5割と半々になっていて、高齢化率の高い能登でも危機感を持つべきだと強調します。 対策としては孤独を感じさせず、ストレスをかけないこと。仮設住宅の順番を待っている方も多いと思いますが、2次避難などで住まいを転々とするのは最も危険なことだとも指摘します。 他愛もない会話が孤独感を打ち消し関連死の防止にも繋がります。災害関連死は「救えたはずの命」と言われます。 残された遺族にとっても取材した中さんのように後悔の念は尽きません。リスクは今も続いているということを忘れないでください。
北陸放送