選抜高校野球、常葉大菊川「吉報」待つ 春の飛躍へ鍛える冬、弱点ない打線目指す 24日に出場校決定
第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場校が1月24日に決定する。昨秋の東海大会で準優勝し、2年ぶり6度目の選出に期待がかかる常葉大菊川は、春への希望を胸に厳しい冬の鍛錬に励んでいる。 夏の大会を経験した選手が多く残り、新チーム発足当初から優勝候補と目された。評判通りに強さを発揮した中で、大きかったのは投打の軸が期待通りに機能したことだった。
静岡県大会、東海大会を通してチーム打率は3割2分6厘と、強力打線を印象づけた。中でも圧倒的な存在感を放ったのがリードオフマンの主将橘木千空。元々は4番だったが県大会からは1番に入り、静岡との初戦で5安打の大暴れ。以降も安打を重ね、打率は5割8分1厘(県大会、東海大会の通算)。「東海まで継続して打つことができたのは成長」と得点の起点となった活躍ぶりを振り返る。
秋からエースナンバーの左腕大村昂輝は県大会4試合を投げ29回3失点。東海大会も2戦連続で完投し、試合をつくる能力の高さを発揮した。目を引くのは県大会から計50回⅔で四球が4個という制球力。「悪い時でも粘って、まとめることができた」と手応えを得た。
2年前の選抜は初戦敗退。初めて甲子園で指揮を執った石岡諒哉監督は「打てなければ勝てない」と全国の厳しさを痛感した。その上で「どんな投手が来ても対応できる弱点のない打線」を理想に打力アップを図る。加えて、走塁やサインプレーの強化にも余念がなく、打撃が振るわなくても得点できる多様な攻撃を追求している。 チーム力を上げるため、主力を追い抜く存在の出現が不可欠と見る。左腕石黒巧、井口陽向、佐藤大介、右腕桶田澄明、野手兼任の佐藤大加良など枚数が多い投手陣には「大村を脅かす選手が出てくるぐらいでないと」(石岡監督)とハッパをかけ、バッテリーの成長を促している。 前回の出場時、入学間近だった選手は最上級生となり、リベンジの時を心待ちにする。「甲子園は小さいころから憧れた舞台。自分たちの持ち味である積極的なプレーを見せたい」と橘木。選手の眼光は鋭さを増している。
常葉大菊川 公式戦対戦成績
秋季静岡県大会予選 1回戦 14-1浜松東(5回コールド) 代表決定戦 7-1遠江総合 上位校決定戦10-0磐田東(6回コールド) 県大会 2回戦(初戦)8-0静岡(8回コールド) 3回戦 9-0湖西(7回コールド) 準々決勝 5-0桐陽 準決勝 4-2東海大翔洋 決勝 9-5掛川西 東海大会 2回戦(初戦)4-1中京(岐阜) 準決勝 5-4至学館(愛知) 決勝 4-7大垣日大(岐阜)