ズワイガニ漁解禁、初競りで1匹「280万円」
ズワイガニ漁が解禁された6日、兵庫県但馬地域の2漁港で初競りが行われた。海が荒れて出漁を見合わせた漁船もあったが、冬の観光シーズンに向けて港が活気づいた。(熊谷暢聡)
但馬地域では今シーズン、計36隻(前期比1隻減)の沖合底引き網漁船が操業を予定している。解禁初日は小型船が出漁を取りやめるなどし、初競りは浜坂漁港(新温泉町)と津居山港(豊岡市)だけで行われた。
このうち、浜坂漁港には初日の漁を終えた漁船が午前10時過ぎから次々に帰港。雄の松葉ガニや雌のセコガニを荷揚げすると、漁船関係者らが手際よく選別していった。
底引き網漁を計6回実施し、約380匹の松葉ガニなどを漁獲したという「第一幸栄丸」の船主・川越伸二さん(63)は「資源調査の結果通りで例年並みの漁獲量だった。(シーズンを通じて)前年並みの漁獲量は維持したい」と意気込んだ。
初競りでは、浜坂漁協の準トップブランドガニ「煌星(きらぼし)」として認められた重さ1・2キロの松葉ガニが280万円(税別)で落札された。競り落とした神戸市で日本料理店を経営する植村良輔さん(48)は「漁師の皆さんに(今シーズンも)『よろしくお願いします』という気持ちを込めました」と語った。
同漁協の川越一男組合長は「今年は市場に流通している北海道産のオオズワイガニとセコガニが競合し、価格に影響する不安がある。シーズンを通じてカニを安定供給できるようにしたい」と話していた。