ECBの利下げ、ペースや規模で柔軟性の維持が必要-仏中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は柔軟性を保つべきで、インフレ後退と景気の弱含みに対応して金利を引き下げると、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が述べた。
ECBが今年3回目の利下げを決めてから一夜明けた18日、ビルロワドガロー氏は現在の地政学的が予測不可能な状況であることを挙げ、2%のインフレ目標を上振れするリスクと下振れリスクがいまや同じぐらいあると指摘した。
「自分の目には方向性は明らかだ。ECBは適宜、金融政策の景気抑制的な性質の解除を続けるべきだ」とビルロワドガロー氏はパリで記者団に発言。「だが、そのリズムは機敏な実用主義でなければならないだろう。極めて不確実な国際環境において、今後の会合でわれわれは完全な選択性を維持する」と続けた。
ラガルド総裁は17日の記者会見で、ECBの次の動きについて明言を避けた。それでも市場は12月をはじめ今後数回の会合で利下げが続くとの見方を強めている。インフレ率が既に1.7%に低下したことを踏まえ、0.5ポイントの利下げが行われると見込む投資家もいる。
だが、ECB政策委員会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁は、ECBが利下げペースを加速させるとの見方を否定した。
同氏はアイリッシュ・エグザミナー紙に対し、「より急激な動きを取るべきだったとは、全く思わない。確かにいくつかの予想外もあったというのが自分の感覚だが、現在目の当たりにしているものの性質は、自分の見解ではより構造的な問題だと思う」と語った。
事情に詳しい関係者によると、政策委員らは今後数カ月にインフレ率が再び上昇した後、来年の1-3月(第1四半期)か4-6月(第2四半期)に2%で落ち着くとみている。年内最後の12月の会合では、再び利下げが決定される公算が極めて大きいという。
ビルロワドガロー氏は今週の決定について、「最初の利下げではなかったし、最後の利下げでもない」と述べ、インフレ率は「2%の目標に従来の予測よりも早く到達するはずだ」と続けた。