別々の道を考えていた「ナガマツ」、悔いの残った五輪へ2人で再挑戦
もう一度「ナガマツ」で五輪へ。悔いが残った東京五輪を経て、再挑戦を決めた2人がパリの舞台に挑む。日本バドミントン協会は、5月21日に都内でパリ五輪出場選手の内定発表会見を行った。日本勢同士の出場権争いが最も激しかった女子ダブルスは、2組が出場。ともに170センチ台の長身ペアである松本麻佑/永原和可那(北都銀行)は、2大会連続の五輪出場となる。前回は、準々決勝でマッチポイントから逆転負けを喫し、メダルに手が届かなかった。永原は、会見で「東京五輪での悔しさを、パリの舞台で(ぶつけて)もう一度挑戦したい思いで戦って来た。後悔がないように、自分たちのプレーを出せるように頑張りたい」と再挑戦にかける思いを話した。
■東京五輪での引退を考えていた永原、コロナ禍で方針転換
「ナガマツ」でのパリ五輪挑戦は、当初、2人の予定になかった。永原は、東京五輪を区切りに現役引退を考え、松本は、別のペアでのパリ挑戦を考えていた。しかし、東京五輪を目前に控えた2020年、世界がコロナ禍に見舞われ、永原の考えに変化が生じた。 「コロナ禍で、全然、バドミントンができなかった。2週間も3週間も、まったく練習しなかったのは、人生で初めて。生き甲斐がなくなったというか、本当につまらない日々になってしまった。私は、バドミントンが生き甲斐になっていたんだと気付けて、まだやりたい気持ちが出て来た」(永原) 引退の先送りは、パートナーである松本にも伝えた。ただ、その段階では、まだパリ五輪まで挑戦するとは言い切れず、東京五輪後の目標をしっかりとは持てていなかったという。
一方の松本は、東京五輪後に組む新しいパートナーを見つけようと動き出したが、コロナ禍で先行きが不透明な中、思うようには進まなかった。永原から現役続行の意思を伝えられた段階から、ペア継続について「雰囲気はちょっと感じていた」ことと、東京五輪が2021年開催に延期され、24年パリ五輪までの準備期間が1年短くなったことを考慮。「やっぱり、新しい人と組んでパリを目指すのは、ちょっと難しいかなと思うようになった。もう1回(ナガマツペアで挑戦する)チャンスがあるなら、組んで目指す形でもいいのかなと思っていた」と当時を振り返った。東京五輪でメダルを逃し、永原はパリへの再挑戦を決意。ペアを継続して目指したいと伝えられた松本が了承し、2人での再挑戦が決まった。