ヒオカ「人生初、生で羽生結弦くんを観た。エンタメは心の栄養、人生に必須と認識した。〈生きていこう〉そう思った」
貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第53回は「人生初、生で羽生くんを観た」です。 【写真】会場はファンの熱気で埋め尽くされ… * * * * * * * ◆ついにこのときがやってきた 「厳正なる抽選を行った結果、残念ながら今回はチケットをご用意することができませんでした」 落選、落選、落選、落選……。 羽生くんがプロに転向して、これから生で見られる機会が増える!と思ったが、蓋を開けてみれば単独アイスショーは落選につぐ落選。仕事先の人に会うたび、「Twitter(現X)みましたよ。また落ちてましたね笑」と憐れまれる始末。 単独以外のアイスショーもなかなか予定が合わなかったりして、もう生で羽生くんを見れないんじゃないか?という気さえしていた。しかし先日、『Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd "RE_PRAY" TOUR』に2回目の応募をすると、なんと 「厳正なる抽選を行った結果、お客様はご当選されました」 うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお。つ、ついにこのときがやってきた。羽生くんを生で見られる!メールを何度も確認し、ショーの前日にやっとスマホにチケットが表示されても、まだ、これは夢なんじゃないか?という気がしていた。今日眠れるかな?明日会場までたどり着けるかな?途中で事故らないかな?生きて帰れるかな?前日はソワソワして不安で仕方がなかった。
◆羽生くんって、実在したんだ そしてついにその日がやってきた。会場のさいたまスーパーアリーナは人、人、人。ロビーには熱気が立ち込めていた。そしていざ、会場の中に入ると、ライトに照らされた満員の客席のなんと壮観なことか。しかし、席からアイスリンクを見てびっくり。私の席は注釈付きのスタンドA席で、アイスリンクからは一番遠いのだ。 アイスリンクまで、何百メートル?いや下手したらkm?最前列の方の人を見て、あまりの小ささにびっくり。注釈付きの席だからメインモニターは見えず、サイドの小さなモニターがあるのみ。最近ガクンと視力が落ちたこともあり、よく見えない。そしてみんな双眼鏡を持っている。 しまった!持っていない。羽生くんはちゃんと見えるだろうか?今日楽しめるだろうか?と、一気に不安になる。しかし、ショーが始まった瞬間、その不安は一気に吹き飛んだ。 羽生くんって、実在したんだ。 それがまず初めの感想だった。動画では何度も何度も何度も見たけれど、羽生くんは人間を超越したような存在だ。きっと天界から下りてきた人だと思っているし、一部では“妖精”とも言われている。ひょっとしたら、いままで見てきたのは幻?そんな気さえしてくる。でも、確かにそこに羽生くんはいた。 冒頭から、とにかく泣きっぱなしだった。最初は滲む程度だったが、だんだん漫画のようにポロポロ涙がこぼれた。なぜだか自分でもわからない。初めての生の羽生くんを見ると、ぶわっと涙が溢れるのだ。 「鼻血用に」と持ってきたティッシュは、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになり、気合いを入れたメイクもあっという間に落ちた。やっぱりあまりに遠くて表情は全く分からない。でも全身を使った動きの美しさが、今まで何度も見てきた羽生くんそのものだった。
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