阪神・秋山が引退会見 冒頭から涙止まらず「もう泣いちゃってますが」「もう限界かなと」一問一答
今季限りで現役引退する阪神の秋山拓巳投手(33)が15日、西宮市内のホテルで引退会見を行った。タテジマ一筋15年。9月24日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)が引退試合、30日のDeNA戦(甲子園)の試合前にはファイナルピッチセレモニーが予定されている。 【写真】冒頭から涙が止まらない秋山 原口から花束を受け取りようやく笑顔 秋山は西条高から2009年度ドラフト4位で阪神に入団。高卒1年目の10年8月21日・巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発すると、同年にプロ初完封を記録するなど4勝をマークした。高校時代には「伊予ゴジラ」と呼ばれ、プロ初本塁打を17年8月18日・中日戦で記録。18年オフに右膝手術し、20年から2シーズン連続2桁勝利を挙げるなど、通算49勝をマークした。 会見での一問一答は以下の通り。 -あいさつ 「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。また、この場を設けていただいた阪神タイガースには感謝を申し上げます。(涙を流す)。私、秋山拓巳は、阪神タイガース一筋15年、阪神タイガースで現役を引退することを、引退することを決断しました。もう泣いちゃってますが、15年間、たくさんの思い出があるので、今日はしっかりと話せたらなと思っています。本日はよろしくお願いします」 -引退を決意した今の思い。 「そうですね、まぁ、当たり前に野球をやってきた15年間だったのですごく寂しくなるな、というのが今の思いです」 -引退を決意された理由は。 「やっぱりここ数年、膝の痛みに苦しんでいて、何とかもう一度、1軍でという思いでやってきていましたけど、やっぱりファームで過ごしていく中でも、なかなか状態が上がってこず、ここ数年、結果も出すことができていなかったので、ここまでかな、と決断しました」 -何度もはい上がってくる姿が印象的だったが、今回は厳しい感じだったか。 「決断するまで諦めず。何度もはい上がってこられたので、もう一回、という気持ちで頑張っておりましたが、もう限界かなと感じました」 -15年間の現役生活を振り返って。 「本当にもう、あっという間で、あっという間の15年間かなと思いますけど、その中でも楽しい思い出も、つらい思い出もたくさんできた15年間だったかなと思います」 -一番楽しい思い出は。 「本当に野球が好きだったので、15年間一度も野球に対して嫌にならずに、好きな…(言葉を詰まらせる)、15年間大好きな野球ができて良かったなと思います」 -しんどかったなという思い出は。 「やっぱり、心と体が一致してこなくなって、思うような動きができなかったというのがここ数年、続いてて、それでも、どうにかしたいと思ってリハビリを続けてやってこられたのは一つ、誇りかなと思います」 -引退を最初に伝えたのは誰。 「妻に一番最初に伝えて、ずっと応援してくれていたし、これからの人生も『私がおるやん』と言ってもらって、またさらにそれで頑張っていきたいなという気持ちになりました」 -両親にはどういった形で伝えたか。 「プロに入ってからは自分の決断を尊重してくれる両親だったので、『よく頑張ったやん』『お疲れさま』『これから頑張るんやで』という話をいただきました」 -高校時代から沸かせた甲子園はどんな球場だったか。 「やっぱり高校野球の時も声援をもらって、球場全体がタイガースファンに囲まれていて、すごい歓声、声援を感じられる球団で、球場で、そこをホームとしてやれたので、本当に大好きな球場でしたし、ホームとしてやれたという、充実した15年間だったと思います」 -現役生活で一番印象に残っている試合は。 「やっぱり1年目の、初めて甲子園で完封した試合というのはすごく今でも覚えています」 -一方で悔しかった思いは。 「やっぱり2軍生活は本当に長かったので、なかなか1軍で長い間、活躍することもできなかったですし、その中でもやっぱり去年、優勝の輪に加われなかったというのは、僕の野球人生の中で本当に悔しかったです」 -秋山選手を慕う後輩選手たくさんいらっしゃるんですが、そんな後輩のみなさんに伝えたいことっていうのはいかがですか。 「そうですね。やっぱり僕もファームでプレーする時間が長かったので、くすぶっている選手を多く見てきてますし。ただやっぱり、僕は変わる勇気を持って、変わって、こうやって野球を続けてこられたので、若い子たちにも、もちろん、変わるということはすごく怖いことだと思いますけど、充実した野球人生を送るためには、そういう決断を、勇気を持ってすることも必要だよ、と伝えたいと思います」 -秋山さんご自身の変わる勇気、ターニングポイントはいつだったか。 「ずっとくすぶっていたときに、藤川球児さんのひと言のおかげで僕は変わる勇気を持てたので、本当に球児さんにはすごく感謝してますし、僕もこれからは、9月は鳴尾浜で動かせてもらうので、そういった若い子たちにとって、何か変わるきっかけになるアドバイスができたらなと思ってます」 -球児さんからのどんな言葉があったか。 「もう本当に、ひと言だったんですけど『スピードを出せ』と言われて。僕はそこまでどうしても自分の投げたい、自分の思っているフォームで野球をしていましたけど、球児さんのそのひと言のおかげで変わることができたので、すごく感謝してます」 -昨日、球団カメラの映像があった中で、最後に原口が“アキ、見てたか”というような形でメッセージを送っていた。原口への思いは。 「2人とも本当に長くくすぶっていたと思いますし、その中でも、誰よりも真面目な原口の練習姿勢を見て『僕もちゃんとしないといけないな』と思わせてもらえる存在でしたし、球児さんたちが抜けて、僕たちがチームの年齢的にも上になったときに、原口に『アキ、しっかりとしなきゃダメだよ』と言われていたので、その言葉をずっと忘れずに、頑張ってこられました」 -引退してやってみたいこと。 「そうですね。まずはやっぱり15年間は本当に野球漬けだったので、妻と一緒にいっぱい旅行に行って、(妻が)韓国が大好きなので、韓国を案内してもらいたいなと思います」 -チームの連覇に向かって戦っています。チームメートに向けて一言。 「きのう、原口の同点タイムリーだったり、最後サヨナラ勝ちで勢いがつく勝ち方をして、巨人と2ゲーム差まできていると思うので、昨日の勢いのまま、今日もぜひ勝ってもらって、去年は優勝に貢献できなかったので、優勝旅行に行けなかったんですけど、最後、頑張って、ぜひここから逆転優勝してもらって、優勝旅行につれてってもらいたいなと思います」 -最後に応援してくださった方にメッセージを。 「本当に15年間、暖かい声援も厳しい声援も、本当熱い声援をたくさんくださって、それに答えられるかどうかと思いますけど、精いっぱいやってる姿は皆さんには見せられたかなと思います。 とにかく、チームはこうやって優勝に向かって頑張ってる、ラストスパートしてる時なので、ファンの皆さんにも優勝に向かって熱い声援を送ってもらいたいなと思ってます。そして、15年間本当に熱い声援をありがとうございましたっていうことを伝えたいです」