掛布2軍監督を驚かせたオコエと高橋純平の潜在能力
阪神の掛布雅之2軍監督(61)がコーチとして先日、倉敷で行われたフレッシュオールスターのベンチに入っていた。試合はウェスタン選抜が1-6とイースタン選抜に大敗したが、28年ぶりにユニホーム復帰したファームの指揮官の目に留まった選手は誰で、そして、未来のスター候補たちの祭典に何を感じたか。 「ソフトバンクの水上2軍監督、広島の水本2軍監督と、たっぷりと話をできたんだが、再確認したのは、今の野球で必要とされる選手は、やっぱり肩と足のある選手なんだよね。今回の試合でも、目立った選手は足と肩、スピードのある選手だった。ソフトバンク、広島は、そういう選手をドラフトで探して育成の軸においているという。特に阪神の場合は、本拠地が広い甲子園。独特の浜風も吹き、30本以上の本塁打を打てる打者を育てることは容易ではない。そういうチームの特性を考えると、なおさら野手に関しては肩、足というものを持った選手が重要だし、今後のドラフト戦略、必要な素材の目安になると考えさせられた」 金本監督が推し進めている「超変革」の中で、1軍抜擢されてきた高山俊(23)、横田慎太郎(21)、江越大賀(23)らは、いずれも肩、足の強さを兼ね備えたプレーヤー。彼らを育成の中心に置く戦略は間違っていないのである。 将来のスター候補が集まったジュニアの夢の球宴では、阪神勢もルーキーの板山祐太郎(22)がライトポール直撃のソロアーチを放つなど、存在感を示したが、大会MVPは、イースタン選抜の勝負を決定づける3ランを放った巨人の4番、岡本和真(20)が獲得した。 その中で掛布2軍監督の目に留まったのは誰なのか。 「やはり楽天のオコエだね。あの身体能力、想像以上だった。スター性だけでなくバッティングも悪くない。足も速い。将来、日本を代表するような外野手になる素材を持った選手であることは間違いない。それとピッチャーでは、ソフトバンクの高橋純平。ピッチャーらしいピッチャー。マウンド上での品がある。ストレートの質が違った。154キロが記録されていたが、その球速以上に打席では速く感じる。水上2軍監督に聞けば、《80球、中10日》という起用法を守っているという。上の戦力に余裕のあるソフトバンクゆえの育成方法だろうが参考にはなるね。彼も、また、そう遠くない未来にソフトバンクのエースになってくる素材だろう」 「1番・センター」でスタメン出場したオコエは、猛打賞&決勝打&三盗と、思う存分に暴れ回った。ウェスタン選抜の先発、岐阜商出身の高橋純平は、昨年のドラフトでソフトバンク、中日、日ハムの3球団が競合した本格右腕。故障をひきずってソフトバンクでは3軍からスタート。開幕は出遅れたが、順調にプロの水に慣れていて、フレッシュ球宴では、ストレート勝負にこだわって、オコエには二塁打を浴びたが、二死三塁で岡本を快心のインハイのストレートでスイングアウトの三振に斬ってとるなど、大器の片鱗を見せつけ、「次に対戦する機会があればやりかえしたい」と、オコエには、リベンジ宣言をしていた。 ペナントレースの再開と同時にファームの試合も再開した。