夫がネトゲで知り合った女性と「不倫」、愛をささやきあったり裸の写真送ったり…妻は慰謝料請求できる?
「夫がオンラインゲームで知り合った女と恋愛しています。相手の女に慰謝料請求したいです」 【動画】離婚せず不倫相手だけを訴えた結果 そんな相談が弁護士ドットコムにはしばしば寄せられます。たとえば、「夫がオンラインゲームで知り合った女性と頻繁にボイスチャットで『好き』『愛している』といったやりとりをしている」といったものです。 しかし、夫と女性が実際に会ったことはない場合、不貞行為があったと認定されることは難しいようです。 一方で、こんな相談も寄せられています。 「夫がオンラインゲームで知り合った女性と浮気をしていました」という女性。お互い既婚者だと知りながら、『好き』『一緒に寝たい』(男女関係を持ちたい)などのメッセージを送り合い、通話しながら性的行為をしていたといいます。 また、別の女性からの相談では、同じように夫がオンラインゲームで知り合った女性とLINEで愛の言葉を語り合っていたそうです。夫と女性は、お互いの裸の写真なども送りあっていました。 実際の男女関係はないオンライン上の恋愛、どこからが「不倫」になるのでしょうか。城戸美保子弁護士に聞きました。
●どこまでが不倫になるのか?
――男女関係のない「浮気」でも、「不貞」として認められますか? 昭和48年11月15日最高裁判所第1小法廷が、民法770条1項1号の「不貞」について、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいうとの判断を示しています。 既婚者であることを把握した第三者が、それなりの期間、二人きりでホテルの同じ部屋に滞在したり互いの自宅を訪問したり、手を握るとか肩を抱く行為が認められるなど、単なる友人関係や仕事上の関係を超えて親密な交際を継続していたと認められる場合には、上記宿泊や自宅訪問の機会に不貞行為に及んだものと推認されます。 そうすると、SNSのDM機能やオンラインゲームのチャット機能を通じてリアルに接触する連絡を取っている場合は別として、インターネットを通じて親密なコミュニケーションを取っているにすぎない場合にまで、不貞と認定される場合は少ないといえそうです。 例えば、チャットの相手と一切対面したことがなく、単に短期間チャットで「好き」「会いたい」とのメッセージを送りあっていた事案について、裁判所は「不貞があった」とは認定しないでしょう。