「初孫がB型とは、この家、思いやられるぞ…」血液型占いを盲信する義実家。ついに嫁がキレたときに起きたこと。
結婚・出産を経て結婚生活は4年が経っていた。それまで嫁の血液型推理を夫婦だけで楽しんでいたのだろう、と千由紀さん。 「私は知らなかったのですが、姑の話では、前に血液型のことや孫の名づけの姓名判断のことで夫と親子喧嘩になったそうなんです。で、千由紀にはその手の話を振らないでと夫が釘を刺したというんですね。でも、孫の血液型を知って我慢できなかったんでしょう」 義両親は「千由紀ちゃんは空気を読まないマイペース人間だから、絶対にB型だよねって2人でいつも予想してたのよ」「おれたちは夫婦揃ってO型なんだよ。おっとりっていうか大らかだから、気まぐれなB型とも相性いいから安心してよ」などとなめらかに語ったそうだ。 「お義父さんもお義母さんも、長々と『そうか、初孫がB型か。これは先が思いやられるぞ』とか言って、少しバカにするような感じで笑ってました。めちゃくちゃ嫌な気分でしたね」 この時を境に義両親は息子から禁じられていた血液型トークを勝手に解禁。ことあるごとに千由紀さんや孫の行動を血液型基準で語りたがった。 「B型は熱しやすくて冷めやすいから、何個おもちゃ買ってもすぐ飽きられちゃう、なんて言うんですよ。子供なんてみんな大体そうじゃないですか?」 O型の性格を自画自賛する場面も多く、「自分で言ってて気持ち悪くないのかなと思いながら聞いていました」と千由紀さん。 「うちはなぜか家族全員O型だから、みんな前向きなんだよと、それは何回も聞かされましたね。誰に対してもフレンドリーだから友達も多いとか。はいはい良かったですねという感じ」 千由紀さんは度重なる血液型トークに苛立ちを覚えつつも、「こんな年寄り、いくらでもいる。いちいち気にしないようにしよう」と右から左へ聞き流すようにしていた。 「ところが、うちの親も交えた会食の席で、ついに義両親が血液型の話題をぶっこんで来たんです。うちの親は血液型での性格の決めつけが本当に嫌いなので事前に言っておかなければ……とは思っていたのですが、いざとなると言い出しにくくて、そのままになっていたんです」 義両親の血液型トークに嫌気がさしながらも、聞き流すことで苛立ちを抑えてやり過ごしていた千由紀さん。しかし後日、千由紀さんの両親との食事会の際に、舅の発言で取り返しのつかないことになってしまったという。 後編に続く 取材・文 中小林亜紀