大政局は来年2月か?「ガラス細工」の石破政権が生き残る道
国民・維新に救われた首班指名
さて、少数与党は短命であるといわれているが、それは現在の議院内閣制が衆議院の過半数の支持を前提に設計されていることから当然のことであろう。まして直近の総選挙で拒否された総理大臣が少数与党を率いて、何時(いつ)まで歩みつづけられるのか。どう考えても難しいといわざるを得ない。 まず異例なのは、首班指名における国民民主党と日本維新の会の決選投票への対応によって結果的に発足できたという点であろう。これで立ちあがりの混乱は回避されたが、連立拡大の道は閉ざされたといえる。 そこで内閣不信任決議であるが、野党6党が完全にまとまれば不信任決議が可決されるのが常態となっている。とはいえ、世論調査では7割近くが石破総理続投を受けいれているようで、有権者としては石破氏の手腕を一度は味わってみたいということかもしれない。 さらに、だれが維新の新代表になるのか、またその過程で現下の政治状況への対応についての新機軸が打ちだされるのか、などについて今は不明であるが、特に石破政権との政策協議に踏みこむのかといった方針によっては事情が変わってくるかもしれない。
大胆な対応が奇跡を生む?
おそらく12月、臨時国会で審議される補正予算案については被災地対策が含まれているので成立すると思われる。したがってヤマ場は、2月下旬における本予算案の審議となる。国民民主が本会議場で賛否を明確にするあたりがハイライトではあるが、まだまだ時間があるので「まさか」が出てくるかもしれない。 もし本予算案が反対多数で否決されれば、政府として身動きがとれないので前もって内閣総辞職と引きかえに予算成立を求めるしか手がないことになる。という事態を想定するならば、玉木要求の危険なほどの切れ味が際立つ。もし政権に応じる意思があるのであれば、値切りではなく大盤回答をしたほうが政権基盤を安定化させるためにはいいし、議論もそうなると思われる。大盤回答されれば国民民主にも責任が生じ、新たな動きが生まれるかもしれない。 もし政府として玉木提案が受けいれられないのであれば、予算成立のための内閣総辞職の準備を始めるべきであろう。 こういった逃げ場のない交渉においては、短期に満額で済ませた方がいいと経験的にいえる。それに命綱を値切る交渉など危険すぎると思うが。