転売行為は悪いこと?せどりとの違いは? 「日本では2種類の“アレルギー”がある」「“商い”として見れば大賛成」
■転売の弊害どう解決?「販売元など全方位的な対策を考えるべき」
転売の弊害の解決として、奥窪氏は「2年間ほど取材したが、買い占めを止める手立ては今のところない」とする一方で、「転売ヤーだけを叩くのではなく、正規販売元の売り方や買う人など、全方位的な対策を考えるべきだ」と提言。 そのために、需要と供給に合わせて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」を、ホテルや航空業界だけでなくエンタメ興行などに広く導入すべきだと促す。「メジャーリーグのチケットも、大谷翔平さんが出る試合と出ない試合では値段が違ったりする。定価販売で何が起きるかというと、みんなが行きたい人気のある試合は、チケットの価値が定価よりもずっと上がる。その差額を狙ってくるのが転売ヤーなので、ダイナミックプライシングで値上げをし、その差を埋めてしまおうというのは1つの手だ」。 また、発売後の一定期間はプレミア価格を導入するのも効果的だという。「プレイステーション5もすごい品薄だったが、そうした商品を最初の1カ月は20万円、1カ月ごとに5万円ずつ下がっていくようにすれば、転売ヤーも“1カ月後に割引で正規販売されるなら売り切れないかもしれない”となるだろう」と述べた。 とはいえ、企業側には「売り切りたい」という気持ちもあるのではないか。「熱烈なファンを持つあるメーカーのEC担当者に話を聞いた。転売ヤーの餌食になる限定品をなぜ売るのかと聞いたら、まずあらかじめ個数を決めるので在庫リスクがほとんどない。また、限定というだけで話題になって、売り切れるから広告を打たなくていいし、ファンが買えなかったとしても“次は欲しい”というロイヤリティに繋がると。『転売を放置している』という批判を受けない程度の対策はやるが、自社の利益相反にならない程度だそうだ。『もっと怒りの声を販売元にも持っていいと思う』とXで言ったら大炎上したが、転売ヤーだけを叩くのではなく、販売元にも疑問を持っていいと思う」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部