ビットコインETF、投資家に適している場合(と適していない場合)
適切ではない場合:「一方通行の橋」
金融分野のオピニオンリーダーであるデイブ・ナディグ(Dave Nadig)氏は、SECの承認に先駆けて発表した「Why a Bitcoin ETF Doesn’t Matter(ビットコインETFが重要でない理由)」と題する記事でビットコインETFを実に的確に整理している。 彼は、ETF主導によるビットコイン市場の成長のあらゆるプラス面を強調するが、最終的には「一方通行の橋」と表現している。そして、それは多くの投資家にとって問題となるだろう。 なぜか? 実は、ビットコインを直接所有しない場合に失われる、直接投資による多くの素晴らしいメリットがある。 私が直接所有が重要だと考える3つの理由は以下の通り。 ビットコインは間違いなく最も認知され、提供のある暗号資産だが、氷山の一角に過ぎない。 ETFプロバイダーを通じてビットコインに投資することで、投資家は一方通行の橋を渡ることになる。ETFを購入することは、実際にビットコインを直接所有するわけではなく、ビットコインを直接所有するファンドの持分を所有することだ。 全体として、投資家がビットコインETFに投資する際に被る大きな損失は、自己主権の利益に関することだ。ビットコインのメリットは、部分準備銀行システムに依存するのではなく、誰もが自分の資産をセルフカストディできることにある。また、ビットコインの検閲耐性は、資産が凍結されたり、銀行から口座を閉鎖されたりする可能性(これは、ますます大きくなっている問題である)を防ぐ。 ビットコインはセルフカストディが可能なため、カウンターパーティリスクを大幅に軽減できる。聞き慣れたフレーズだが「not your keys, not your coins(鍵を保有していない限り、あなたのコインではない)」は今も健在だ。 暗号資産がメインストリーム市場に流通し始めたばかりで、ほとんどの人が暗号資産に不慣れだった数年前とは異なり、今や金融の専門家はこの新興市場を理解するうえで頼りになる。 我々は、暗号資産業界が市場でこれほど力強く躍進しているのを目の当たりにして興奮している。なぜなら、こうした前進は投資家にとっての機会を増やすだけだから。これはほんの始まりに過ぎない。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:When Bitcoin ETFs Are Right for Investors (and When They're Not)
CoinDesk Japan 編集部