【エプソムC】レーベンスティール復活V! ルメール騎手は史上5人目のJRA重賞150勝
直線で力強く伸びた1番人気のレーベンスティールが、2馬身差をつけて重賞2勝目を飾った。勝ちタイム1分44秒7(良)はレースレコード。クリストフ・ルメール騎手(45)=栗・フリー=は、史上5人目のJRA重賞150勝を達成した。2着には9番人気のニシノスーベニア、3着には7番人気のシルトホルンが入った。 ◇ 前2走の悪夢を振り払うかのように、鮮やかに突き抜けた。最重量59キロを克服し、レーベンスティールが重賞2勝目。ルメール騎手は圧倒的な力を見せつけた相棒の首筋を何度もたたき、喜びをかみしめた。 「スタートが良く道中も落ち着いていたし、3、4コーナーの手応えも良かった。直線はだんだん伸びて加速してくれて、結構楽に勝つことができました」 中団でじっくりと脚をため、先に抜け出したシルトホルンを目標にスパート。残り100メートルで先頭に立ち、悠々と2馬身差をつけてゴールした。勝ち時計1分44秒7は、2001年アドマイヤカイザー、21年ザダルのタイムを0秒4も更新するレースレコードだ。 鞍上は「59キロですごくいいパフォーマンスをしてくれました。(田中博)調教師から馬の状態はバッチリと聞いていたので、勝つ自信で乗りました」と初コンビでの美酒にニヤリ。これで史上5人目のJRA重賞150勝を達成。ドバイでの落馬負傷で1カ月以上の戦線離脱があったが、リーディングトップの川田騎手まで1勝差とした。 「完勝ですね。前回よりは明らかに走れる態勢にあるとは思っていましたが、本当に走れるのかなとかなり半信半疑で、すごく心配していました。ただただ、ホッとしました」 復活Vに田中博調教師は胸をなでおろした。香港ヴァーズ、新潟大賞典でともに1番人気に支持されながら8、11着と大敗。悔しさをばねに挑み、今度こそ1番人気に応えてみせた。 「他世代を相手に初めて結果を出せたので、またここからですね。まだ心身ともに相当幼いので、これからの成長に期待したいです」 昨年のセントライト記念で皐月賞馬ソールオリエンスを下した素質馬。まだキャリアは9戦と大きな伸びしろを秘めている。この勝利をステップに、さらなる大舞台を目指す。(三浦凪沙)
■レーベンスティール 父リアルスティール、母トウカイライフ、母の父トウカイテイオー。鹿毛の牡4歳。美浦・田中博康厩舎所属。北海道日高町・広富牧場の生産馬。馬主は㈲キャロットファーム。戦績9戦4勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金1億2769万6000円(すべてJRA)。重賞は2023年GⅡセントライト記念に次いで2勝目。エプソムCはクリストフ・ルメール騎手が19年レイエンダに次いで2勝目、田中博康調教師は初勝利。馬名は「生き様(独)。父名、母名より連想。生き様で魅了する馬になるように」。