【40代・50代からの断捨離】断捨離®で、自分にとって心地よくない感情も手放せるように/断捨離トレーナー柳井尚子さん
断捨離は、家が片付くだけでなく、生きることをラクにする手段だったという柳井尚子さん。今まで“こうあるべき”と思っていたものが、世間からの刷り込みだったのかもと疑問を持ち、自分で考えて決めて動けるようになっていったとか。その実体験を伺った。
♦持ちモノを3割減らして生活をコンパクトに
「もともと片づけは得意で、クローゼットや引き出しにモノを隙間なく収納しては、その整然とした状態に満足していました。一方で、モノの多さに使いたいモノがすぐに見つからず、「何か違う。きっと私のしまい方が悪いせいだ」と自分を責めることも。今思えば、あれは片づけではなく、単にモノを押し込んでいただけだったんですね。 その頃たまたま目にしたのが断捨離の動画でした。実践してみたところ家の中はすっきりし、探しモノに時間を取られることもなくなって。すると不思議なことに自分にも変化が起き、『今と違う暮らしを体験してみたい』と思うようになりました。 そんなとき、まるで計ったように、夫から『住み替えをしないか?』という提案が。当時、私たちが住んでいたのは、21年前に細部までこだわって建てた、床面積約100㎡の一軒家。娘たちとの思い出が詰まった家でしたが、なぜかそういう選択肢もあると素直に思えたんですよね。 その後、夫婦二人には広かった家を売却し、57歳のときに70㎡の新築マンションに引っ越し。家がコンパクトになった分、3割ほど持ちモノを減らしました。娘たちが独立したあとだったのも、ちょうどいいタイミングでした」
●棚に飾るものは気分で替えて
「私が断捨離から得た最も大きなものは、自分で考えて、決めて、動く。『自分軸で生きる』ということでした。 もちろんそれまでも、自分の考えで動いているつもりでいたんです。でも断捨離を学び、『本当にそうだったのかな。親は・妻は・子育てはこうあるべきというのは、親や世間からの刷り込みなのでは?』『言いたいことを言わずに我慢するのは正しいの?』等々と思うように。そもそも自分が日常的に我慢している自覚すらなかったことに、断捨離に出会って気づいたのです」