山沢兄弟、2万人を魅了 埼玉が開幕戦勝利 ラグビー・リーグワン
◇ラグビー・リーグワン 開幕節 ◇○埼玉パナソニックワイルドナイツ33―12東京サントリーサンゴリアス●(21日、東京・味の素スタジアム) 【写真まとめ】ラグビー・リーグワン 東京SG-埼玉 4季目が幕を開けたリーグワンで3季ぶり王者を狙う埼玉が「新生」ぶりを印象付けた。開幕戦に集まった約2万人の観衆を魅了したのが「山沢兄弟」だ。 10番で先発した弟・山沢京平選手と15番に入った兄・拓也選手の連係が光った。前半10分過ぎ、相手陣で京平選手からのパスを受けた拓也選手が突破を図って、相手の反則を誘発。正面のPGを京平選手が決めて、先制した。その後も2人でトライに直結する鋭いパスを連発し、前後半合わせて計5トライを挙げたチームの攻撃を引っ張った。 試合前、拓也選手から「気楽に」と声をかけられた京平選手だが「久しぶりにSOで公式戦先発。緊張した」。試合全体のコントロールは無難にこなす一方、トライ後のキックを3本外したり、あと一歩のところでトライを取り切れなかったりと、やや不安定な一面も見られた。 ただ京平選手が判断に迷う場面では、拓也選手がすぐ駆け寄りサポート。拓也選手は「15番に入る時は10番を助けることを意識している。自分が何かできるポジショニングをできればいいなと思い動いた」と振り返った。 チームはこのオフ、大きな変化を強いられた。昨季まで7季にわたり在籍した松田力也選手がトヨタに移籍。経験豊富な絶対的司令塔が抜けた中で、昨季レギュラーシーズントップの747得点という爆発的な攻撃力をどのように維持するのかが焦点の一つだった。 守りで圧力をかけて相手のミスを誘い、攻撃に転じたら一気にトライを奪いきる――。懸念を吹き飛ばすような快勝劇で今シーズンの一歩を踏み出した。山沢兄弟だけではなく、2トライを挙げた長田智希選手など若手の頼もしい姿も心強い。「去年は去年、今年は今年。変わらないワイルドナイツのベースはあるが、出る人も違う。今年の良さを出していきたい」と拓也選手。今季も埼玉は優勝争いの中心で力を発揮しそうだ。【角田直哉】