軽自動車スズキ「アルト」でレースに夢中になる理由とは? 30年のベテランだからこそ「無事故で帰宅する」という重要なタスクを完遂中です
セットアップを煮詰め、狙うは久々の表彰台!
レースでは周囲に迷惑をかけないため自分の気持ちを含めコントロールしつつ、予選落ちが当たり前な3クラスで表彰台を目指すことをつねに意識しているという。2024年シーズン第2戦は予選で6番手に食い込むも、決勝で後退し11位でフィニッシュだった。エビスサーキット東コースはHA23と相性がよく、旋回性能を高めるためにいろいろと細工してきたとのことで、本人としては不完全燃焼な1日だったかもしれない。 とはいえ無事に自走して埼玉まで帰るという目標は達成でき、混戦を経験することでドライバーとしての引き出しも増えたはず。外から見ていて感じる山口さんの走りは、ベテランらしく決して無理し過ぎず、周囲の状況をつねに把握していることだ。だからこそ誰かと接触することなく無事故で帰るという、草レースのもっとも重要な目標を完遂できるのだろう。 愛車で気に入っているポイントは、何年も使い続けている、京都のショップ「ナビック(Navic)」によるオリジナル車高調だ。フロント10kg/mm、リア8kg/mmと街乗りも余裕でこなすレートながら、サーキットでは扱いやすくドライでもウエットでも安全に走れる。以前は知人に譲ってもらった某メーカーの特注品だったが、ナビック製のほうが走りやすく感じるという。 もうひとつは試行錯誤しながら進めてきた空力で、きっかけは雨のレースでグリップ感がなかったこと。とはいえナンバー付きで自走している以上、軽自動車の幅を超えるエアロは使えない。そこでモータースポーツやチューニングの本を参考に、試行錯誤を繰り返しながら改良させていくことにした。2本の長いストレートを持つスポーツランドSUGOでは、ウエットでもドライでも空力改善は間違いなく効果があると思われる。 また今後の課題は車高調を活かすタイヤの使い方を覚えること、そしてエアクリーナーをリメイクして吸気の流速を高めること。さらに、軽量化で現在の618kgから600kg台に入れたいとか。すべて達成すれば3クラスの表彰台に立つことはもちろん、5クラスを卒業して以来の優勝カップも手にできるだろう。
佐藤 圭
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