病身の猫にまだ救われている… 闘病中の愛猫のいつか来るその瞬間と飼い主の揺れ動く感情を描いた猫エッセイ【書評】
イシデ電さんと猫たちの日常生活を描いている本作は、イシデ電さんの漫画家としての一面も垣間見ることができる。中にはSNSで猫たちとの生活を発信してフォロワーとやり取りしたり、怒りを覚える出来事を創作活動に昇華させようと決心したりするシーンも。猫と漫画家は、イシデ電さんの大切な人生の一部なのだろう。 愛猫が死に向かっていく過程を『ポッケの旅支度』というタイトルで表現した本作は、あたたかい猫への想いで満ちている。猫のふさふさした毛並みが伝わるようなあたたかなタッチもあいまって、読み手の心に触れるやさしい作品だ。猫を亡くした経験がある人にぜひ読んでほしい。きっとそのときの感情に寄り添ってくれるはずだ。 文=ネゴト/ まわる まがり