「メンバーが集まらなくて…」 勉強のため全員練習は週3回、部員集めで中学生に受験対策も 進学校が「文武両道」貫き戦う全国高校ラグビー
長野県の飯田高校、全国高校ラグビー初戦で岩手県代表と対戦
第104回全国高校ラグビー大会(27日~来年1月7日、大阪府東大阪市花園ラグビー場など)に長野県代表として出場する飯田高校(飯田市)は28日、岩手県代表の盛岡工業高校との初戦に臨む。3年ぶり11度目の舞台へ挑む選手や周囲で支える人々の姿を追った。 【写真】飯田高校ラグビー班を応援するため発売した「花園出場記念弁当」
県内有数の進学校、夜の3時間は受験に備え勉強
「守備はかなり良くなってきたぞ」。今月19日の放課後、飯田高校のグラウンド。ラグビー班の選手たちが、班の強みとしている守備の動きをグラウンド上で入念に確認していた。 部員が各自で行う筋力トレーニングを除き、全員が集まる練習は週3回で計7時間ほど。飯田高校は県内有数の進学校とあって、同校ラグビー班は合宿時も夜の約3時間は大学受験を見据えて勉強時間を取るなど、文武両道を掲げて活動している。
「勉強時間を確保しないとメンバーが集まらない」
自身も同校ラグビー班OBの小林克(すぐる)監督(30)は「勉強の時間を確保しないとメンバーが集まらない。練習内容を取捨選択している」と話す。留学生を擁する私立校もいる花園の舞台にたどり着くため、効率よく集中した練習を行うことを心がけてきた。
主将「勉強と同じで失敗を位返さないようにしている」
3年の北原慎一朗主将(18)は「勉強で復習が大切なのと同じで、失敗を繰り返さないようにしている」。練習でボールのキャッチングにミスが目立てば、次回の練習前に声をかけ確認。修正できていなければ、練習中も声をかけ合う。小林監督は「本来は毎日反復することで身につくが、飯田の選手たちは飲み込みが早い」と話す。
変えたラグビーのスタイル
かつてはグラウンドを広く使いボールを回すスタイルだったが、近年は限られた練習時間で得た技術を試合で効果的に生かすため、2021年の小林監督就任後からボールを保持した状態で陣地を押し上げるモールを主体とした攻撃に切り替えた。 毎年入学してきた選手たちによって少しずつ戦術は変わるが、今年のチームは体重約100キロの大柄な選手が4人そろった。鍛えたモールを武器に、県大会は大柄な選手が陣地を押し上げてトライにつなげた。