世界初の缶コーヒーを開発したUCC上島珈琲 大阪万博を機に大ヒット【経済トレンド】
創業90年を超えるコーヒーの老舗。1933年神戸市内で、創業者名を冠した上島忠雄商店としてバターやジャムなどを販売したのが始まりだ。(共同通信=増井杏菜記者) 1951年、上島珈琲を設立。飲食店への焙煎卸業として販売を拡大するなか、多くの人においしいコーヒーを届けたいと、1958年にはコーヒーショップの展開も開始した。 1969年、世界初の缶コーヒーを発売。現在の「UCC ミルクコーヒー」は、駅の売店で売られていた瓶入りコーヒー牛乳がきっかけ。当時は瓶回収のため、その場で飲む必要があった。そこで、いつでもどこでも飲める商品を目指し開発。大阪万博会場での提供を機に大ヒットし、今も人気だ。 1980年代はジャマイカや米国・ハワイでの直営農園を開設し、タイや香港など海外進出を始めた。 1991年に現社名に。1994年、ロングセラーの「UCC BLACK無糖」を売り出した。2000年代に入ると、オリジナルのドリップマシンを開発。「飲まずに食べられる商品」という、豆の香りを閉じ込めた新たな食品を手がけるなど、コーヒーの魅力を届け続ける。