いきなり中間管理職になった人が知らない心得とは…職場のストレスや長時間労働への対処法
職場の長時間労働をいかになくすか、どのようにライフ・ワークバランスをとるかが、企業の重要な課題の1つとなってきている。自宅などでのリモートワークが普及すると、ライフとワークのバランスをとるというよりも、むしろライフとワークを統合・融合する意味でのインテグレーションのほうが適切であるため、本書では“ライフ・ワークインテグレーション”と表現する。 かつては、「残業すること=頑張っている」と評価される風潮があり、今でもそのような風潮が残る会社も少なくない。部下が上司よりも先に帰りにくいという職場もいまだに多い。
リモートワークにおいても、夜遅くまでオンライン会議を行っていたり、メール対応していたりして、勤務時間が長くなることが多いのが現状である。 ■長時間労働が減らないのはなぜか? 長時間労働が減らない原因として、次のようなことが考えられる。 ・目的や目標、やるべき業務、役割分担などが明確になっていない ・優先順位がついていないなど、仕事の効率が悪い ・残業を前提とした業務の組み方になっている ・長時間勤務者が評価される、もしくは評価される雰囲気がある
まずは課長自身が、「長時間かけて成果を上げる」から「短時間で成果を上げる」へとマインドセットしていくべきであろう。 スマートにビジネスができているか? 課長として、同じ時間で多くの成果を上げること、ROT(リターン・オン・タイム時間対効果)も考えたい。 20%の重要要素が、全体の80%の成果をしめるという〝パレートの法則〟も参考にしたい。担当業務における20%の重要事項を決め、そこに集中することも効果的である。
タイムマネジメントの具体的対策としては、次のようなものが挙げられる。 ・残業とは基本的に上司からの指示により行うべきものであることを、課長やメンバーともに理解するようにする。残業の運用をルール化する ・残業を前提としない業務を組んでいく。業務時間外の社内ミーティングなどは設定しない、残業しないと完了しない業務は優先度を検討し、見直しを行う ・「ノー残業デー」を設定するなど、課長自らが率先して業務時間短縮に取り組む