「収入を隠さない」女性がお金持ち男性にモテる理由
この結果をみると、「相手の収入などの経済力」を「重視する」または「考慮する」を選択した男性は、1654人(回答不詳者除き)中798人で48%となっています。なんと男性の約2人に1人は結婚相手の女性の経済力を必要情報としている、ということになります。 バブル時代を謳歌した1980年代後半に20代だった現在60代以上の男女からは「そんなのは貧しい男の考えることではないのか」といったような声が聞こえてきそうですが、結婚相談所のようなお金持ち男性の集まる傾向の婚活の場であっても、年収を隠さない女性のほうがお見合いの申し込みが多い状況となっていることを考えると、「貧しい男の考え」といった意見は過去の価値観に基づく誤解であることがわかります。
「私の年収なんか気にする男はいらないわ!」といった強気の婚活は、時代遅れ感があり、統計的には避けたほうがよさそうです。 ■30年で価値観は激変―親ブロックに注意 同じ出生動向基本調査で、1992年(第10回)の結果と比較すると、1992年では、「相手の収入などの経済力」を「重視する」または「考慮する」を選択した男性は26.7%でした。つまり32年前の調査であれば、約4人に1人の選択だったのです。1992年に18歳から34歳だった回答者は2024年現在、50歳から66歳です。
この年齢ゾーンの男女が30歳くらいで子どもを授かっているとすると、現在20歳から36歳の男女の親世代にあたります。ということは、統計上の結婚適齢期にあるイマドキの男女と、その親世代とでは、大きな価値観変容が生じていると指摘できます。 女性に経済力を求める割合が親世代と比較して若い男性では倍増しているにもかかわらず、娘に対して「あなたの収入なんてどうでもいいから、そんなことを気にしないお金持ち男性を選びなさい」、息子に対して「年収を上げて、妻子を養える力をつけるべき。家庭に入ってくれる方を選びなさい」などといった助言は、かえって子どもの婚活や成婚を妨害しかねません。