米ロサンゼルスの山火事、高級住宅地でも被害拡大 死者は今後も増えると当局
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米カリフォルニア州ロサンゼルス西部で大規模な山火事が続いている。 9日までに7人の死亡が確認されたが、ロサンゼルス郡のロバート・ルナ保安官は、被害の大きかった多くの地域での消火活動にはまだ危険が伴い、死者数は今後「間違いなく変わる」と述べた。 炎は高級住宅地パシフィック・パリセーズのほか、イートン地区、ハースト地区、リディア地区などで広がっている。 パシフィック・パリセーズでは5300棟以上、イートン地区では5000棟以上の建物が焼失した。 9日夜までにサンセット地区での火災は鎮圧されたものの、ウェストヒルズ地区で新たな火災が発生したほか、隣接するヴェンチュラ郡でも山火事が広がっているという。 当局は、消防隊のリソースは大幅に増加し、「はるかに良い状況」にあるが、週明けに予報されている強風がロサンゼルス郡とヴェンチュラ郡の火災に影響を与える可能性があると述べている。 火災現場を取材したBBCのジョン・サドワース北米特派員は、水が不足しているため消防隊員にはなすすべがなく、家屋が焼け落ちるのを眺めるだけになっていると報告した。 避難指示に従わず、自宅のプールから水をくみだして家を守ろうとしている一部の住民もいると伝えた。 ジョー・バイデン米大統領は8日に「大規模災害」を宣言。9日の記者会見で、宣言によって被災者は生活必需品の購入に充てる現金を政府に申請できるようになったと説明した。 また、災害救援のための連邦政府の資金援助を増額し、ロサンゼルスに消防ヘリコプターと飛行機を30機、さらに軍の消火活動用輸送機を派遣するよう命じたと述べた。 カナダからも、消防隊と航空機が鎮火の支援に向かっているという。 山火事は7日、パシフィック・パリセーズで最初に発生し、ロサンゼルス史上最も破壊的な被害をもたらしている。 米メディアは、パリセーズの山火事について放火捜査官が原因究明を進めていると報じた。 ロサンゼルス郡消防本部のトニー・マローン本部長は、もしも出火原因が放火だと判明した場合、死者はすべて殺人によるものとして扱われると述べている。 一方ロサンゼルス郡では山火事発生以降、少なくとも20人が窃盗の疑いで逮捕されている。 同郡のルナ保安官は、被災地に夜間外出禁止令を発令するよう働きかけていると述べた。 保安官はさらに、カリフォルニア州兵が特定の任務に配備されたと発表。まずはパシフィック・パリセーズとイートン地区山火事の消火活動にあたっているという。 (英語記事 'Like an atomic bomb': Los Angeles fire chiefs warn death toll is likely to rise)
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