【新タイプ】インフルエンザ予防接種シーズン…子ども対象に“鼻中スプレー型”ワクチン接種始まる(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
10月に入り、多くの医療機関でインフルエンザの予防接種が本格的に開始されています。予防接種と言えば注射をイメージする人も多いかと思いますが…、10月から“鼻”の中にふきかけるタイプの新しいクチン接種が、子どもを対象に始まりました。 インフルエンザの例年の感染者数は国内推定で約1000万人。11月下旬ごろから感染者数が増え始めるため、多くの医療機関で、10月からインフルエンザワクチンの接種が始まります。そんな中、静岡市にあるこの小児科のクリニックでは。 (医師) 「そ~っとやるからね」「痛くなかった?」 (子ども) 「はい」 “鼻”の中に直接ふきかける新しいタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」です。2023年、国内での製造販売が承認されたことで、2024年から広く行き渡るようになり、多くの医療機関で接種できるようになりました。厚生労働省によりますと、対象年齢は2歳から18歳で、毒性を弱めたウイルスを使ったいわゆる生ワクチンを、両方の鼻の中に1回ずつ吹きかけ、ウイルスの侵入口である鼻の粘膜に免疫を誘導することで、高い予防効果があるといいます。 このクリニックでは、2014年から「フルミスト」を個人で輸入し、接種を行ってきました。2000回以上の接種実績のデータを元に、学会でフルミストの効果と特性の発表も行ってきました。その中で、一般的な注射のインフルエンザワクチンとは違う特徴を実感しているといいます。 (キッズクリニック さの 佐野 正 理事長) 「10年くらい前から個人輸入でやらしていただいておりまして」「インフルエンザの勉強をしてワクチンの勉強をしていくと、子どもに効く、痛くないこと」「インフルエンザの型が違っても効くとか、長く効く」「理論的にメリットが子どもにとっては多い」 予防注射の場合は2回接種が必要ですが、フルミストは1回の接種で予防できるほか、注射針を使わないため痛みが少ないといいます。実際に接種した子どもは…。 (接種した子ども) 「ちょっとびっくりしたけど、す ぐに終わって楽だった」「全然痛くなくて、注射は針を刺す けど、これは針を刺さなかった」 (接種した子ども) 「思っていたより痛くなかったし、痛いというか、ちょっとぬれるみたいな感じだった」 (接種した子どもの親) 「小さい頃から注射が苦手だった ので、痛くない予防接種があると聞いて、試してみようかなと思 いました」 一方で気になる副作用もあるといいます。 (キッズクリニック さの 佐野 正 理事長) 「やはり生ワクチンですので、(接種後に)熱が出たりとか、鼻に噴射するので鼻水が多くなったりする」 佐野理事長によりますと、生ワクチンを使用する為、接種後は2日ほど、微熱が生じたりすることもあると話し、家族に免疫不全の人がいる場合は使用を控え、予防注射を推奨しています。また、万が一接種後に発熱した場合の対処に注意が必要だと話します。 (キッズクリニック さの 佐野 正 理事長) 「高熱が出たといって救急外来とかに行って、熱の検査としてインフルエンザの抗原検査をしましょうというと」「鼻に吹き付けた後、1週間は鼻にインフルエンザのウイルスが生としているので、一週間ぐらいは(インフルエンザの)反応がでちゃう」「治療すると、例えばタミフルを飲んでしまうと、せっかくやったワクチンの効果が落ちてしまう可能性が高いので」 子どもたちに新たなインフルエンザワクチンの手段として登場したフルミスト。佐野理事長は、かかりつけ医に相談した上でどちらを使用するか選択してほしいと話します。まだ認知度が低いほか、子どもが対象のため、小児科ではない内科医がフルミストの正確な情報を理解していない可能性があるとして、診察には注意を呼びかけています。