「ガンダム」シリーズの「ざんねんな武装」派手だけど見せ場は…どうしてそうなった?
伝統の「ジャベリン」も憂き目に…
●クロスクラッシャー(ガンダムサンドロック) 『新機動戦記ガンダムW』における「カトル・ラバーバ・ウィナー」の搭乗機が「ガンダムサンドロック」です。この機体の主兵装となる高熱を発する2本の大剣「ヒートショーテル」とバックパック、シールドを組み合わせて形作られるのが「クロスクラッシャー」でした。2本のヒートショーテールをクワガタの角のように配置して相手を挟み切るこの武装は、どんな装甲すらも切り裂く威力を有します。 しかしこれが使用されたのは劇中たった一度で、物語序盤に量産機を破壊する際にとどまりました。通常のヒートショーテールで十分に敵モビルスーツを切断可能なことを考えると、わざわざクロスクラッシャーを使用する必要がなかったのでしょう。そもそも主武装を手放すほどのメリットもなさそうですし……そのような扱いもあって、ガンダムサンドロックが宇宙戦用に改修されたのち、クロスクラッシャーは使えないようになっていました。 ●ハイパー・ビーム・ジャベリン(フルアーマーユニコーンガンダム) 『機動戦士ガンダムUC』で主人公の「バナージ・リンクス」が搭乗した「ユニコーンガンダム」に大量の武装を足し、最終決戦仕様に仕上げたのが「フルアーマーユニコーンガンダム」です。この機体には開発当初、「ハイパー・ビーム・ジャベリン」と呼ばれる武器が装備される予定でした。これは「サイコフレーム」を内蔵し、柄の側部と頂点の2か所から高出力ビームを発するというものです。ところが、アニメ上では「登場しない」という憂き目にあいます。 その要因となったのは、ともに戦艦「ネェル・アーガマ」に収容されていたモビルスーツ、「クシャトリヤ・ベッセルング」にありました。最終決戦に少しでも多くのモビルスーツを出撃させたいと考えたネェル・アーガマのクルーは、損傷したクシャトリヤ・ベッセルングを改修して出撃させようと考えます。その結果、ハイパー・ビーム・ジャベリン用の資材はクシャトリヤ・ベッセルングの改修に使われてしまい、プラン上は存在しながらもアニメ上では登場しない武装となりました。苦肉の策とは分かりつつも、アニメでどのように使用されるか観たかったような……?
はるのおと