蓮舫氏が勝つための条件は「投票率65%」? 小池都知事の戦略は「選挙を盛り上がらせない」
立憲民主党の参議院議員・蓮舫氏(56)が、7月の東京都知事選への出馬を表明。現職有利との下馬評を蓮舫氏が覆すための方法とは? 【前後編の前編】 【写真を見る】「母親に似てイケメン!」 元アイドルだった息子の村田琳さん(27) ***
5月27日、都知事選への蓮舫参院議員出馬表明の後。小池百合子都知事(71)はさる都政関係者にこう漏らしたという。 「メディアが取り上げるような図式にはならないわよ。向こうには“土台”がないんだから」 少なくともその口ぶりからは焦りは感じられなかったそうだ。 告示は6月20日。現状、小池氏はまだ出馬を表明していないものの、立候補は既定路線で、選挙戦が蓮舫氏との事実上の一騎打ちとなるのは確実だ。
組織力に差が
小池有利――これが大半のメディアの情勢分析だが、実情はどうだろうか。 「その通りだと思います」 と語るのは、さる全国紙の都政担当デスク。 小池都知事サイドにつくのは、政党で言えば、自民、公明、国民民主の各党と、都民ファーストの会。一方の蓮舫議員サイドは立憲民主と共産の両党とされている。 「加えて連合が小池さんにつく見通しです。小池さんは都知事選を見越し、カスハラ防止条例の制定を進めて連合へ秋波を送ってきた。また連合は、共産党がついた蓮舫サイドを支援することはないでしょう」(同) 双方とも政党色を前面に出さない方針ではあるものの、土台たる組織力を比べても、やはり小池有利は否めないというのだ。
「選挙を盛り上がらせないような戦術」
では蓮舫氏の“逆転”があるとすれば、果たしてどのようなケースが想定されるだろうか。 政治ジャーナリストの泉宏氏が言う。 「この流れを押し戻すには、蓮舫が都知事に対する“もういいじゃないか”という批判を盛り上げるしかない。そうした“風”に乗りやすい無党派層を選挙に連れ出し、投票率を65%以上まで上げることができれば、彼女が競り勝つということが起きるかもしれません」 ただ、都知事サイドもそれを見越しており、 「本来、都議会開会の5月29日に行う予定だった出馬表明を可能な限り遅らせている。そして、選挙戦が始まっても“都政に専念する”として街頭には極力立たず、徹頭徹尾、選挙を盛り上がらせないような戦術を採ると思います」(同) 無党派層は寝ていてくれればいいとばかり、相手の土俵には乗らない戦略に出るのではないか、と指摘するのだ。