起業ハードルの低い「スモールビジネス」の経営こそ「経済的自由」を掴む最短ルートだった…経営サポートを行う弁護士が聞いた、経営者の実態
次のフィールド「男性化粧品販売」では成果が出せず…
小峰:その後について教えてください。 内田:もともと、IT業界で仕事がしたい、将来起業したいという考えでいたことから、このOA機器の営業会社は1年弱で退職しました。その後、男性用化粧品の会社で販売店への営業を行いました。 小峰:結果はどうでしたか? 内田:それまでの営業とはまったく別物で、全然契約がとれませんでした。営業といっても、商材、売る相手がどういう人かによってさまざまだと痛感しました。結局、こちらも3ヵ月ほどで退職しました。
いまのビジネスにつながる「SEOコンサルティング業務」へ
内田:その後、SEOコンサルティングを提供する会社に転職し、新規獲得営業とコンサルティング業務に従事しました。やりがいがあり、楽しかったのですが、あくまで外部からの提案で、実際に中の人となってプロジェクトを進行できないもどかしさがありました。 小峰:その後、また新しいところへ移られたのですね? 内田:はい。SEOメディアを運営していた会社に転職しました。そこでは、薄毛、ダイエット、脱毛、バストアップという、コンプレックス系の分野のSEOで集客し、商品を紹介してアフィリエイト報酬を得るという方法で急成長している会社でした。ですが、検索エンジンのアルゴリズムが変更され、売上がほぼ消失するほどアクセスが激減しました。薄毛に関する知見を活かして育毛剤のD2C事業も立ち上げましたが、会社は解散してしまいました。 小峰:そうでしたか…。 内田:でも、そこで「記事を書き、アクセスを集め、収益に繋げる」スキームを学ぶことができ、その後の起業にも繋がっていきました。
オーナー社長がハードワークを苦にしない理由
内田:その後、解散した会社で事業責任者をやっていた上司が創業した採用支援会社で仕事を手伝うようになり、起業の後押しとなる、ひとつの気づきを得ました。 小峰:どのようなものでしょう? 内田:その会社の創業者は、当時の私には真似できないほどのハードワーカーでした。どうしてこんなに働けるのかと思ったのですが、これは能力や気力の差ではなく、とっている「リスク・リターン・裁量」の差だと気づいたのです。そこで「それらを求めて起業しなくては」と考えるに至り、いろいろなことを調べ始めました。 小峰:なるほど…。 内田:それまでは、いわゆるベンチャー、スタートアップでの仕事が長かったものですから、起業するにあたっては「新しいこと」「斬新なこと」をやらなければならないと考えていました。ですが、いろいろと調べるなかで、「スモールビジネスであれば新しいことはやらなくていい、むしろやってはいけない」という考え方に触れることになりました。これが転機になったのです。