酔いすぎて始球式で大失敗…阪神タイガース史上最高の“切り込み隊長”真弓明信氏が語る優勝裏話 リーグ制覇の瞬間は胴上げに備え勝手に守備位置変更!?
1カ月負傷欠場でも34本塁打
徳光: ただ、あの年に真弓さん、大ケガをしましたよね。 真弓: レフト前ヒットか何かで、セカンドランナーだった僕はホームに突っ込んでいったんですよ。回り込んでベースをタッチしにいったときに、脇腹にドーンとキャッチャーの肩が入って肋骨を2本折りました。 徳光: どのぐらい戦列を離れてたんですか。 真弓: 1カ月。 徳光: 1カ月も離れたにもかかわらず、ホームランを34本打っている。打点も84。 真弓: たまに自慢するんです。「34本って、1カ月休んだんですよ」って。みんな、「ウソでしょ」って言う。 徳光: 先頭打者ホームランも多かったですが、あれは狙ってたんですか。 真弓: 狙ってましたよ。バッターボックスでホームランを狙って悪くはないと思っているんです。 ツーストライク取られたら、ヒット狙いのカウントになる。でもファーストストライクは、やっぱりホームランになるようなボールを打ちたいじゃないですか。アウトコース低めのギリギリの球は1球目から打ちたくない。ホームラン狙っていったら、そこは打たないんです。真ん中から内側とかを狙う。 だから、僕はツーストライクまでは、ほとんどの打席でホームランを狙ってましたよ。
江川卓氏の高めのストレートを狙った
変化球よりもストレートが得意だったという真弓氏。快速球で一時代を築いた巨人の江川卓氏から12本のホームランを放っている。 徳光: 江川さんの、それこそ浮き上がってくるストレートをよく打ちましたよね。 真弓: ジャイアンツのピッチャーから打ったのは、徳光さん、よく覚えてますよね(笑)。 徳光: 本当によく打たれた(笑)。 真弓: ほんとに浮き上がってくるんですよ。バッティングコーチは「高めの球に手を出すな」って言うんです。そしたら、低めに目付けするじゃないですか。低めに目付けしてると、そこからピューッと上がってくるやつは振ってしまうんですよ。 真弓: もうしょうがないから、「高めの球を打ってやろう」と。めちゃくちゃ高い球は来ないですから。ストライクゾーン、ちょっとボールになるような球。 徳光: コントロールが良かったから。 真弓: その球を初めから打ちにいってたんです。肩くらいのボールを打つわけですよ。普通に打ちにいったら、必ずアッパースイングになって振り遅れるんです。だから、構えたところからバットをそのまま斜めに落としていくんです。そしたら高めの球でも間に合うんですよ。 徳光: 斬るような感じですか。 真弓: そうですね。振りながら斬るような感じです。 徳光: それであれだけ打ったんですか。 真弓: 速くて伸びる球って、打ち方はもうそれしかないと思ってました。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/8/13より) 【中編に続く】
プロ野球レジェン堂
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