能登半島地震から“まもなく1年”…変わる被災地の風景 青井実キャスターがクリスマスの能登へ ケーキ店店主「みんなに届けられてうれしい」
能登半島地震からまもなく1年を迎える中、被災地では倒壊した建物や焼失した輪島市の朝市の復興が進まず、地元のしょうゆ蔵も「たる」が使えない状況が続いている。 一方、ケーキ店は被害を乗り越えて再開し、クリスマスを迎えられた喜びを語った。 【画像】瓦礫が手つかずのままだった地震発生から1カ月が経った頃の輪島の朝市
倒壊したままの建物が残る
まもなく能登半島地震から1年が経過する。 「イット!」の青井実キャスターが、本格的な冬が訪れた能登半島を取材した。 青井実キャスター: まだ家屋がひしゃげてそのままになってますし、なかなか進んでないなという印象ですね。 青井キャスターが向かったのは、地震後の激しい炎で焼け尽くされた輪島の朝市だ。 発生から1カ月がたったころは、がれきが手つかずのままだったが、半年後には、徐々にがれきの撤去が進んでいた。 青井キャスター: 輪島の朝市、この一帯焼け焦げてなくなっています。何にもなくなっちゃった。こんなに広かったんですね。だいぶ変わっちゃったな。 能登半島地震の犠牲者は、500人を超える見込みだ。 そのうち、避難所生活などの原因による災害関連死は276人にのぼり、これは熊本地震を上回っている。 24日、その災害関連死のうち、石川県では約8割が発災から3カ月以内に亡くなっていたことが新たに分かった。 地震からまもなく1年、復興は思うように進んでいない。 倒壊したままの建物が残る場所で営業している輪島唯一の“しょうゆ蔵”を訪れた。 青井キャスター: しょうゆがいっぱいありますね。 谷川醸造4代目・谷川貴昭社長: 地元の方がお使いいただいてる甘口の「サクラ醤油」という銘柄です。 商品は並んでいるが、どれも自分たちのしょうゆ蔵で作ったものではないという。 谷川醸造4代目・谷川貴昭社長: 以前は、ここのベースになるおしょうゆは、木桶でうちで作ってたんですけど、同じように木桶とかを使ってる友人のおしょうゆ屋さんで、今は購入しています。 しょうゆの味を決める酵母菌が住み着く木の「たる」は、蔵の倒壊で今も使えない。 谷川醸造4代目・谷川貴昭社長: (たるが)全部使えなくなるということを考えたり見たりするのは、なかなかしんどいです。 しょうゆの“もと”となる「もろみ」は雨ざらしになっている。 先祖代々受け継がれてきた味を守る試行錯誤が続いている。 谷川醸造4代目・谷川貴昭社長: 少しずつしか進まないもどかしさと、たくさんの人が作業している感謝の気持ちといろんな感情が入り乱れています。 そんな中、被災地にクリスマスがやってきた。 輪島市内でケーキやパンを販売している「くまのおうち」には、かわいいサンタが乗ったクリスマスケーキが並んだ。 地元客: 仮設住宅の方にいるので、いつもならクリスマスツリー出したりとかいろいろしてたんですけど、置くスペースがないので、パーティーまではしないけど、ちょっと食べようかなと。 工房は、ケーキ作りの真っ最中だが、この場所も地震の直後は大きな被害を受けた。
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