ビットコインが一時10万ドルを割り込み、7億ドル相当の暗号資産ロングが清算──XRPは5%下落
ビットコイン(BTC)の下落は、主要トークンを追跡する先物取引で7億ドル(約1085億円、1ドル=155円換算)以上の清算につながり、エックス・アール・ピー(XRP)とドージコイン(DOGE)の商品は異常なほどの損失を記録した。 アメリカの取引時間深夜に10万ドルを割り込み、アジア時間で若干回復した。これは、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が2025年に数回の利下げを示唆したためだ。その後、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、次期大統領のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が戦略備蓄を約束したことに関する質問に対し、現行の規制では中央銀行がビットコインを所有することは認められていないと述べた。 「それは議会が検討すべき問題だが、我々は法改正を求めているわけではない」とパウエル氏は述べた。7月の選挙キャンペーンで、トランプ氏は、政府は現在保有している、または今後取得するすべてのビットコインの100%を、自身の政権下で維持するだろうと述べた。これは押収したBTCを指している。 パウエル氏のコメントを受けてBTCは3%下落し、主要暗号資産(仮想通貨)全体が急落した。XRP、DOGE、ソラナ(SOL)は5.5%下落し、バイナンスコイン(BNB)とイーサリアム(ETH)は2.5%下落した。チェーンリンク(LINK)は10%下落し、最も大きな打撃を受けた。これは、トランプ次期大統領が支援するワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)がトークンを200万ドル(約3億1000万円)分購入したことで、週初めの利益の一部が帳消しになったことを意味する。 市場の下落により、7億ドルを超える強気の賭けが清算され、小規模なアルトコインやミームトークンを追跡する先物は、BTCやETHの先物よりも大きな損失を記録するという異常な動きを見せたことがデータから明らかになっている。 清算とは、トレーダーが証拠金要件を満たせなくなった場合に、取引所が強制的にトレーダーのレバレッジをかけたポジションを閉じることだ。大規模な清算は、パニック売りや買いなどの市場の極端な状況を示す可能性がある。 清算の連鎖は、市場の転換点を示すこともあり、市場センチメントの行き過ぎによる価格反転が差し迫っている可能性がある。 一部のトレーダーは、パウエル議長のコメントはピークであることを示唆し、月末にかけての続伸期待を冷ます可能性があると指摘している。 「アメリカのビットコイン戦略備蓄が機能しないのであれば、暗号資産市場はピークを迎えた可能性がある。この約束が最近の数カ月の史上最高値更新のラリーを後押ししたからだ」と、LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクターであるニック・ラック(Nick Ruck)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。「通常、利下げは大方の予想通りであったため、強気な反応を示すはずだが、パウエル議長がインフレが来年も継続的な問題となるだろうと述べたことで、市場は強く反応した」。 しかし、シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーは、来年の見通しについて概ね強気な姿勢を維持している。 「仮に下落があっても、ポジションを崩さないことだ。2025年は、特にトランプ大統領在任中であることから、暗号資産にとって強気な年になる可能性がある。このままの姿勢を維持することが有益であることが証明されるかもしれない」と同社は12月19日のブロードキャスト・メッセージで述べた。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin's Nosedive to Under $100K Shaves $700M Crypto Longs, XRP Drops 5%
CoinDesk Japan 編集部