元五輪選手の大叔父が本田に檄「上品にやるな!気迫を出せ!」
気迫を出せ! ファイトせよ! 大三郎さんらしい檄だ。体育の専門家でもある大三郎さんは、開幕前から不安を覚えていたという。「圭佑も含めコンディション調整がうまくいっていないように見えます。開幕前の強化試合でうまくいきすぎましたね。コスタリカは今旋風を起こしていますが、楽な相手でしたよね。あそこで強い相手に負けて課題が浮き彫りになっていれば、チームにも緊張感が生まれていたでしょう。勝ち癖をつけなければならないのは子供のチームで、今のザックジャパンには、それは必要はなかったと思うのです。すべてがうまくいっていて過大評価というかうぬぼれというか、そういうものがあったのかもしれません。そこをなんとかしていくのが、圭佑のチームでの役割だったのでしょうが」。 本田家には、ひとつの家訓がある。大三郎さんの母、つまり本田圭佑のひいばあちゃんにあるタキさんは、「人間、一生過ごして身の自慢だから」が口癖だった。「一生努力を続けてこその人生だという意味のことを言っていたのでしょう」。最後まであきらめずミラクルを信じるーー。本田の決意は、まさに脈々と受け継がれてきた本田家の遺伝子である。昨春、祖父の満さんが、81歳で天寿を全うされた。本田圭佑が、たまたま日本にいるときで、通夜、告別式に参加していたという。 「私は、ちょうど奄美にいて参列できなかったのですが、息子の多聞が代わりに出て初めて圭佑と会って、圭佑の子供を可愛がったらしいのです。圭佑は兄の家で育てられ、中学を卒業してから大阪を離れて金沢の高校に旅立って苦労をしました。目標に向かって、それを実現しています。肉親ながら素晴らしいし偉いと思います。もうサッカー選手としての旬は過ぎているのかもしれません。そういう自覚と決意を彼は、彼なりに持って明日の試合に臨むでしょう。コロンビアは強いという評判ですが、勝てない相手ではありません。私は勝てる可能性はあると見ています。最後まであきらめないのが本田家の人間です」。 伝説の大叔父は、愛情たっぷりに熱いエールを送った。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)