64歳年金暮らし直前の会社員、通帳から忽然と消えた500万円に悲鳴。40歳同居息子の〈とんでもない告白〉で崖っぷち老後へ…「我が子でも許せんぞ」【FPの助言】
「簡単に稼げる手軽な副業」…その実態とは
健太さんは指導に従って早速記事を作成しSNSに投稿。しかし、売り上げを上げることができても微々たる金額で、しかも、そのわずかな売上金も一切受け取ることもできませんでした。 これは何かがおかしい。そう思って業者にクーリングオフを申し出ましたが、商用契約であることを理由に断られてしまいました。 大切な貯金を失い精神的に追い詰められた健太さんは、さらなる罠に陥ってしまいます。 「FX初心者でも、スマホ1つで年収1~2億円は簡単。マル秘の数式に基づいてトレードを自動的に行えるツールを使えば、だれでも勝率99%」というSNS上の広告に飛びつき、起死回生を狙ったのです。 しかし、FXトレードシステムの購入契約をするためのお金は、自分にはありません。そこで、健太さんは父親に無断で預金口座から500万円を引き出し、支払ってしまったのです。会員サイトへのログインや質問方法がわからず電話で問い合わせましたが、会員サイトでの質問を強要されるばかり。 結局、ツールのダウンロードもサポートも受けられないまま、業者は法人を解散し清算手続きを完了。一銭も返金されることはありませんでした。 健太さんは、ようやく自分が立て続けに詐欺に遭ってしまったことを自覚しました。そんななか、父親である雨宮さんも老後のための貯金が500万円も減っていることに気づき、妻と大騒ぎに。 健太さんは重い口を開き、詐欺に遭ってしまったことを2人に告白しました。 しかし、時すでに遅しでした。
FPが提案した行動計画と雨宮夫妻の決断
「我が子ながら情けない…40歳にもなって。親子だからといって許せたものじゃない」 怒りと呆れでいっぱいになりながら、雨宮夫妻はお金の専門家に相談することにしました。ファイナンシャルプランナーは、以下の具体的な行動計画を提案しました。 1.法的対応として ・警察への被害届の提出と証拠書類の整理(契約書、メールのやり取り、振込記録など) ・消費生活センターへの相談と、契約の取消可能性の確認 ・必要に応じて弁護士への相談 2.金銭面での対策 ・現在の預貯金残高と今後の収支計画の見直し ・年金受給開始までの生活費の見直しと節約計画の策定 3.再発防止と自立支援 ・家族での金融教育セミナーへの参加 ・ハローワークと連携した就職支援 ・必要に応じて心理カウンセリングの検討 ここで雨宮さんは深く考えました。今この瞬間、健太さんを完全に見捨てるべきか。それとも、最後まで支え導くべきか。家族の絆、親の責任とは何か。彼の心の中では、健太さんへの失望と、それでも息子を見捨てられない父親としての責任感が衝突していました。 最終的に、彼は息子との完全な絶縁ではなく、以下のような段階的な対応を選択しました。 まずは「金銭管理の改善」です。健太さんのアルバイト収入から最低毎月2万円を返済してもらうことを伝え、さらに家計簿アプリを共有することにしました。 次に「就労支援」です。これまで息子が自分で何とかするだろうと見守ってきましたが、正規雇用の職を早く見つけられるよう定期的にハローワークに行くこと、職業訓練校へ通うことを強く勧めました。 そして「金銭教育」です。40歳の息子に今さらとは思いましたが、詐欺に引っかかってしまうようなリテラシーの低さを解消するため、FPから教わった市民講座に行ってもらうことにしたのです。 そして、最後に「心理的サポート」です。自分たちの大切な老後資金500万円をドブに捨てた息子ですが、本人も強い反省の姿勢を見せています。妻も健太さんを完全に見捨てることはできないと、夫と共に息子の自立をサポートすることにしました。
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